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新・三国志
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新・三国志 3


実際には袁術は挙兵したのではなく、皇帝気取りで贅を尽くした生活をし、
税を不当に釣り上げるなどして自分の領地にいられなくなって逃亡しようとしただけであり、

張飛「軍勢にしてはのろのろしているな」
関羽「確かに兵士の数が少ないのも気になるが・・・」
張飛「あれなら関兄が出るまでもねえ」

張飛が勢い良く兵を繰り出すと、落ち目にある袁術を支える紀霊が迎え撃とうとするが、
逃げ出す兵士が続出し、

紀霊「ま、不味い」

一瞬の隙を突かれて張飛に討ち取られてしまった。

劉備「袁術軍でその名を知られる紀将軍を討ったのは良いが油断するなよ」
張飛「でも、腰抜けの兵しかいないだから大丈夫だよ」

劉備の軍勢が大勝し、袁術も逃走中に血を吐いて亡くなったと聞いて、
曹操も心置きなく袁紹との戦いに臨めると安堵するが、

曹操「何だと玄徳が徐州から戻って来ないだと?」

しかも徐州の統治のために派遣した自らの部下が殺害されたと知って、

曹操「おのれ玄徳、余をここまで愚弄するとは」




曹操は夏候惇、そして呂布の配下であった張遼に劉備討伐を命じ、
袁紹との戦いに赴く筈だと考えていた劉備は、

劉備「ま、不味い」

まだ曹操の勢力を及んでいない荊州へと逃げる事にし、

張飛「兄貴、気にするなここは俺と関兄で何とかする」
劉備「すまないな」

劉備は趙雲や簡雍達と共に荊州へと逃れていった。


荊州へと逃れて数年が経ち、

劉備「雲長も戻って来て本当に良かった」
張飛「関兄が曹軍に投降するとは思わなかったよ」
関羽「殿のご家族を無事に殿の元まで送り届けるにはああするしか無かったのだ」

関羽としては自分だけだったら討ち死に覚悟で曹軍に向かっていくつもりだった。
しかし、劉備から家族の護衛を任されている以上、家族の安全を優先せねばならず、
劉備の家族に危害を加えない事などを条件に投降したのであった。

劉備「でもあのまま曹操の下にいても良かったんじゃないのか」
関羽「ご冗談を」

その後、袁紹との戦で顔良を討つと、劉備の家族を連れて曹操の下を離れ、
荊州へとやって来たのがほんの数日前の事である。

しかし関羽や張飛が無事で一安心だったとはいなかった。
荊州を治める劉表は劉備に取って代われるかと警戒しており、

劉備「新野の守りを任されたが、暇で暇で」
関羽「しかし、あれから曹操は袁紹の軍勢を打ち破ったそうですよ」



ある日、新野城にある男がやって来て、
「(果たして劉将軍は仕えるに値する方なのだろうか)」
男の名は諸葛亮、字は孔明。
劉表のやり方に不満を抱きつつも、それに代わる主君を見出せずにいた。

劉備の邸宅の門の前まで来ると、
「元直じゃないか」
「孔明」

嘗ての学友である徐庶、字は元直がいるのに驚くが、
「劉将軍にお仕えしたいようだな」
「まだそうとは決めた訳ではないが、どのような方か会ってみたくて」

徐庶の紹介で劉備に会ってみると、
そこいらの農夫のような親しみやすさと、内に説明できような何かを感じ、
「(このような方は初めてだ)」

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