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新・三国志
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新・三国志 2


張飛が公孫サンがなかなか兵を出さないのに、
「あの野郎、あれこれ理由をつけて兵を出さねえ」
そんな張飛に関羽は、
「落ち着け益徳。それにしても連合軍とは名ばかりであるな長兄」

確かに諸将の中で董卓の軍勢とまともに戦っているのは曹操と孫堅だけで、
あとはなかなか兵を出さないばかりか、互いに足を引っ張ってばかり。
「しょうがない。適当に理由をつけて去るとするか」
すると趙雲が、
「それがしもご同行させて下さい」
「子龍っていったな。俺と一緒にいてもろくな事無いぜ」

まだ若い趙雲を同行させるのを躊躇していると、
「どんな困難でも共にする所存です」
「長兄、子龍殿も同行させましょう」
「分かった。明朝に出発するから遅れるなよ」

数年後、ふとした事から徐州の領主となった劉備だったが、
「袁術と呂布が手を組んで徐州に攻めてくるだって?」
徐州は曹操の軍勢によって受けた壊滅的な打撃から立ち直っておらず、
劉備が動揺していると横で寝そべっていた簡雍が起き上がって、
「簡単な事だよ。曹操は袁術も呂布も潰そうと思っているから曹操に援軍を頼めば良い」


普段は冴えないと思われがちな簡雍もいざとなった際の判断力はなかなかのものであり、
早速、曹操に援軍を要請ために都へと赴くと、

「劉玄徳という奴、わざわざ余に援軍を求めるとは」
曹操、字は孟徳。董卓が呂布に殺害された混乱に乗じて帝を自らの許に迎え入れて都とし、
着実に勢力を伸ばしているのだが、
「孟徳、今は兵を出す必要は無い。袁術達の軍勢が疲れたところを叩けば良いじゃないか」

従兄弟である夏候惇の進言に早々から将来を期待されている軍師、郭嘉が、
「いいえ、評判の高い玄徳を見捨てるのは良くありません。ここは玄徳を助け天下の信頼を得るのが得策かと」
曹操も以前から劉備という男に何となく自分とか違うものを秘めていると感じており、
それが何か見定めておくまで生かしておくのも悪くないと思い、
「確かにそうだな」
曹操は徐州に軍勢を送ると、袁術は呂布を見捨てて撤退し、
孤立した呂布は部下の裏切りによってその命を落とした。
呂布を曹操と共に破った劉備は徐州には戻らず、許に留まり、
曹操は劉備を左将軍に推挙するなど、何かと目をかけるのだが、

劉備「何で曹操は俺に目をかけてくれるのだろう」
張飛「左将軍だろうが右将軍だろうが出世出来て良かったじゃないか」
関羽「恐らくあなたを心服させようとしているのでは」
張飛「兄貴、さっきから落ち込んでいるようだけど」
劉備「近頃、俺を利用しようとしている奴が多くてな」
関羽「ど、どういう意味ですか?」


劉備は帝を護衛する役目にある董承から曹操暗殺を持ちかけられた事を告白し、

張飛「それで乗ることにしたのかい?」
劉備「いや、口では帝のためとか言っているがどうも胡散臭いから断った」
張飛「それでこそ兄貴だ」
関羽「しかし断ったとは申せ、その事が曹操の耳に入ったら・・・」

すると袁術が再び兵を挙げたという情報が入り、
劉備は曹操に自ら袁術を討伐すると名乗りを上げ、

関羽「これで曹操からも董承からも離れますな」
劉備「そうだな。取り敢えず袁術を討つ事に専念しよう」

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