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新・三国志
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新・三国志 11


数日後、益州から孔明が劉備と共に益州へ向かった兵の一部を連れて戻って来て、
徐庶「孔明、どうしたのだ?」
諸葛亮「漢中王に荊州の守りを固めるよう進言したところ、一部の兵を連れて荊州へ戻るよう命じられたのだ」
劉備は曹操に対抗する意思を見せるためという諸葛亮や張飛達の勧めで、漢中王と名乗るようになり、
徐庶「そうであったか。益州の名士や豪族達はどうであったか?」
諸葛亮「法孝直殿は軍略にも政にも秀でておる。殊に軍略では子元にも引けを取らないだろう」



諸葛亮「ところで何か変わった事は無かったか?」
徐庶「数日前、呉からある男が来たのだが・・・」

その男とは陸遜、字は伯言で呂蒙の代理としてやって来たのだが、
徐庶「関将軍は家柄だけの男と見くびっているだようだが」
陸遜は傍系ではあるものの、揚州の四姓のうちの陸家の出で、
孫権の姪(孫権の兄、孫策の娘)を妻に持つ事で、孫権とも縁戚関係にあり、
諸葛亮「おそらくこちらの出方を探るために来たのかもしれない」

呉では、陸遜が自分の事を見下していた事を孫権達に話すと、
孫権「伯言、関将軍がそなたを見下しておるという事はそれだけ隙があるという事で良いのか」
陸遜「はい、機が熟し次第、荊州に兵を挙げるべきかと」
呂蒙「荊州と関雲長の命を奪えば、漢中王もうかうかしておれまい」

そこへ魏の使いとしてやって来た司馬懿が、
司馬懿「孫将軍、もし我らにお味方して頂ければ、荊州から南は将軍のものとなるよう取り計らいますよ」
孫権「ほう、願っても無い事ですが、今のあなたのお立場では空手形になりませぬか?」
司馬懿が曹操から信用されておらず、官位もそれ程高くない事を皮肉るのだが、
陸遜「それは仲達殿がまだ新参の身だからでしょう」

司馬懿は退出すると、
司馬懿「(こちらの足元を見ておって。しかし、呉の連中は荊州を奪う事しか考えていないようだ)」
もし荊州を失い、関羽が討ち死にすれば、劉備は関羽の仇を討つ事も兼ね、
呉との戦いに踏み切る筈だと、司馬懿は考えていた。

一方、荊州では、
関羽「漢中王と共に益州へ向かった諸将の昇進が目立つが」
諸葛亮「はい、張将軍は巴郡太守になられ、関将軍のご子息も・・・」
関羽「涼州の馬孟起にまで官職を与えておるではないか」

馬超達にまで官職を与えたのは、涼州を勢力下に置く事が出来た事を労うためであったが、
関羽「あんな若造を厚遇するとは漢王中を何を考えて・・・」
諸葛亮「だからと申して決してあなた様を軽んじておる訳ではございませぬ」

傲慢になっていく関羽に、
諸葛亮「(関将軍、あなたがそんな事では魏や呉に付け入る隙を与える事に・・・)」

すると陸遜からささやかな宴を開くので、関羽達を招待するという内容の手紙が届き、
関羽「宴を開くと申すか。孔明殿達も招かれておるぞ」
諸葛亮「(これは罠ではないのか)」

関羽が上機嫌でその場を去ると、
諸葛亮「元直、お主も招待されておるぞ」
徐庶「本当だ。そなたや子敬殿の尽力で和議が成ったとは申せ、今までこんな事は無かったぞ」
趙雲「でも、無下に断ると却って礼を失するかと」

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