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秀吉異聞 もしも秀吉が子沢山だったら
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秀吉異聞 もしも秀吉が子沢山だったら 1

※この作品は秀吉が史実と異なり子沢山だったらどれだけ歴史が変わったかを描くIF小説です。
読む方、書き込む方ともにこの点をご了承ください。
 
 
 
1563(永禄4年)末のこと。

「ほぎゃあ、ほぎゃあ、ほぎゃあ!」
「おお!産まれたか!!」
「ええ・・・・。」
出産を終え、額に汗している美女は木下ねね。
共に喜んでいる男は、木下藤吉郎、のちの秀吉である。
1562年(永禄3年)に恋愛結婚して、初めての子供の誕生であった。
藤吉郎の仕える尾張織田家は駿河の大大名・今川義元を3年前に破り、勢力を延ばしつつあった。
斎藤氏攻略に駆けずり回る日々が過ぎ、やがて十年後、ねねは順調に出産して、子供は4人になっていた。

そのうち男子は2人、女子は2人だった。
多忙な秀吉が家を空けることが多かったことを考えれば健闘した数字だといえるだろう。


この年、1573(天正元)年、信長は浅井氏を攻め滅ぼす。
その先鋒となったのが秀吉だった。
この功により藤吉郎は北近江三郡の領地を賜り、今浜の地を「長浜」と改め、長浜城の城主となる。
そして…

「御館様、我が長子、月吉丸(つきよしまる)にございまする」
「お久し振りにございます!御館様!」
「おう!元気が良いのう〜。久しく見ぬ間に随分と大きくなりおって…顔付きも一段とサルによう似てきおったわい。まさに親子ザルじゃ!ワ〜ッハッハッハッ!!」
「…で、御館様。もしよろしければこの月吉丸の烏帽子親になって頂けませぬか?」
「なに、もう元服させるのか。まだ十歳じゃ。ちと早くはないか?」
「いいえ!この月吉丸、一日も早よう元服して御館様のお役に立ちとうございまする!」
「ほほう、嬉しい事を言ってくれるのう。親ザルからワシの喜ばせ方を仕込まれたか…あいわかった!その心意気や良し!月吉!この織田信長が貴様の烏帽子親となってやる!」
「「ははぁ〜!!有り難き幸せ!!」」

晴れて一国一城の主となったのを機に、藤吉郎は同じ信長の腹心であった丹羽長秀と柴田勝家から一文字ずつ貰い“羽柴”と改姓した。
以後、彼は羽柴秀吉と名乗るようになる。

そして嫡男の月吉丸も元服し、名を秀一(ひでかず)と改めた。

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