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逆転!関が原
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逆転!関が原 3

この小早川勢には鉄砲頭の松野主馬の手勢が徳川方に参戦する事を拒否して伏見城で退転していたが、それでも1万近い軍勢を有している。そのため長宗我部勢、長束勢、安国寺勢を押し返しつつある。そこで毛利秀元は自らの軍勢から一部を割いて小早川勢に側面攻撃を加えつつ、眼前の浅野勢、有馬勢、池田勢の反撃に対抗する。
「何!一豊が戦死したと?」
家康の元に山内一豊の戦死の悲報が入った。さらに池田勢は陣形が次第に乱れ、やっと到着した小早川勢も毛利勢に側面を突かれ苦しい戦いをしている。
「あのバカ息子め・・・何をしている・・・・・・」
家康は又爪をかんだ。『バカ息子』とは徳川秀忠のことである。上田城を攻撃した秀忠はここで真田昌幸、幸村親子に足止めされていたのだ。その上秀忠は三万八千人、真田隊は三千に満たないのだ。秀忠は家康からの使者の催促で上田城攻略を諦め関が原に向かった。
一方毛利輝元はいまだ松尾山で傍観していた。
「松尾山に使者を送れ!」
三成は輝元の元に使者を送った。これに促され、毛利輝元は戦いに加わった。
「突撃、狙うは家康の首級ぞ」
徳川家康本隊を側面から攻撃した。
ドドドドドド・・・・・・
毛利輝元を先頭に数万人が山を駆け下りてくる。家康は大慌てでこれに対抗した。輝元が拡翼の陣で家康隊を一気に押したため、家康本陣は十九女池付近に引いた。
「全軍突撃!」
ついに石田、小西、宇喜田、大谷が山を駆け下り東軍に総攻撃をかけた。この戦いの決着がつこうとしていた。
一方、長宗我部勢、長束勢、安国寺勢を押し返していた小早川軍も毛利秀元分隊の側面からの攻撃で崩れ始めた。さらに池田勢も秀元本隊と一進一退の戦いを続けていた。
「何?味方が押され始めた?」
池田輝政のもとに東軍が押され始めたという情報が入った。さらに小早川隊も崩れつつある。
「いかんな・・・・・・」
その間に長宗我部隊がついに小早川秀秋本陣に迫った。
「本陣を固めろ!殿を守れ!」
小早川隊の兵が怒鳴り続けた。
元々、長宗我部盛親は最初は徳川方に付こうとしたのだが、近江水口で長束正家勢の関所に道を塞がれて石田方に鞍替えした経緯が有った。しかしながらそんな事はおくびにも出さずに逆に徳川方に鞍替えした小早川勢本陣に攻勢を続け、遂にその大将小早川秀秋を追い詰めその首級をあげた。それを喜ぶ家臣達に「ほたえな(騒ぐな)!たかが温若の小僧じゃ。毛利の宰相殿(秀元)も狙っておろうが、内府殿、いや家康の首は我ら長宗我部勢があげるのだ」と嗜め、更に西に本陣を構える徳川家康勢に向かって行った。

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