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架空戦国物語
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架空戦国物語 2

「あっ…ああ…」
龍丸は尻餅をついた。
信長は鬼気迫る表情で、龍丸の背後の障子を切り付けていた。
「龍丸、駿河は広い、兵も多い…。だが、今川ごときにこの信長が後れはとらぬわ!」
「…しかし、信長様。我等がまともに戦って勝てる相手では…」
「フン、今川の大軍相手にまともに戦う程、わしは馬鹿ではないわ。ここを使うんじゃ」
信長は頭を指差した。
龍丸『へっ?』龍丸は首をかしげた信長『今川はわしを馬鹿だと思っておる』信長は能弁に言った
「雨が降る」
「雨、ですか…」
信長は頭をかかえ溜め息をつくと、扇子を手に持ちそれを広げた。
「雨が降れば愚かな今川は間違いなく、進軍を止め、休みをとるであろう、そこを襲う」
信長は扇子を閉じ、続ける。
「今川は烏合の衆、どこの者かも分からぬ農民まで集めて攻め寄せて来ておると聞く、頭をとれば総崩れじゃ」
「奇襲ですか、では私めにその任を」
龍丸は屈むと頭を下げた。信長は冷ややかな目で答える。
「案ずるな、既に軍は送っておる、そなたの出番はない、心配いらぁせんてぇ」
信長は声高だかに笑い、あぐらをかいた。
その頃今川軍では…
「まろは疲れた、もう行軍を止めよ」
「しかし、このような地で行軍を止めては、織田に奇襲される恐れが…」
「斬れ…」
今川義元は首を横に振った。
「ひっ!!お許しを!!」
「まろを見下すからじゃ、連れて行け」
「お許しを、なにとぞお許しを!!」

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