PiPi's World 投稿小説

魔皇帝伝説
その他リレー小説 - 戦争

の最初へ
 6
 8
の最後へ

魔皇帝伝説 8

「…未完成?」
グラウドは漆黒の大剣を鞘から抜く。
刀身まで漆黒に染められた大剣は赤いオーラ発している。
「うむ、神を殺す剣として鍛えたが、完成させるには、この剣で神に匹敵する存在を倒し、媒介として吸収しなければならんのだ」
レインは無表情に説明する。
「この未完成の魔剣はどんな魔力を帯びているんだ……?」
「うむ、その魔剣で斬られた傷は再生能力や回復魔法でも治すことは出来ない。あと、並みの魔法の武具程度なら紙のように切り裂く切れ味だ…」
「……それで未完成なのか……?」
呆れたように呟くグラウド。
「それにしても、レインは魔法の鍛冶師だったんだな?」
グラウドは、剣と鎧の調子を確かめながら聞く。
「…? わたしは鍛冶師でわないぞ。祖父のギイに鍛冶師の技術を習っただけだ」
「……ギイ!?」
グラウドは、その名を知っていた。千年以上昔、クロス大陸に存在した古代王国、その古代王国最高の鍛冶師の名前がギイだ。彼の作品は古代遺跡からいくつか発見されて、その魔法武具はクロス大陸最高の武具として知られている。
「その腕輪もギイの作品か?」
グラウドはレインの腕に輝く純銀の腕輪を見つめながら聞く。
「いや、『ミスリルグレブ』は、わたしの作品だ。わたしは魔術師だから近接戦闘は得意でわない。いくつか強力な無詠唱魔法を開発したが、それでも魔力を集める僅かな時間を必要とした。『ミスリルグレブ』はその時間を必要とせず、わたしの魔力をエネルギーとして自動的に攻撃と防御をする魔法の宝具だ……」
レインは、少し自慢げに説明する。 「…たしかに、強力な魔法宝具だったな」
グラウドは苦笑する。
 
 
「……ところでレイン、オレと一緒に闇の森を出て旅をするつもりわないか?」
グラウドは、レインを見つめながら言う。
「わたしはグラウドの女だ、グラウドが旅に出るなら一緒に行くだけだ…。ただ、理由を聞かせてほしい」
レインは見つめ返す。グラウドは、手で髪をくしゃくしゃとかきながら答える。
「…エンドは近いうちに大国『ローグス教国』に滅ぼされる…。出来ればその前にエンド以外の国に行きたい」「……!?なぜエンドは滅びるんだ?」
レインが聞く。
「ローグス教国は、いくつもの国々が『罰と支配の神ローグス』の教義を絶対として、教皇を頂きに各国の国王が仕える強力な連合国家だ。今のエンドの国王ダイガは無能で、さらにローグスに対抗する軍事力もない……。滅ぶのは時間の問題だ…」
グラウドは説明する。「……うむ!それなら逃げるのでわなくグラウドがエンドの支配者となってローグスと戦えばいい」
「……っ!?」
レインの予想外の答えに動揺するグラウド。

SNSでこの小説を紹介

戦争の他のリレー小説

こちらから小説を探す