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魔皇帝伝説
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魔皇帝伝説 7

 
着替えを終えた二人は、屋敷を出た。
レインは屋敷のそばにある、泉で水浴びをしにいく。グラウドは魔物の存在を注意したが、レインの話しでは屋敷周辺に結界を張っているらしく魔物や邪気は入れないらしい。
たしかに、屋敷周辺はとても闇の森とは呼べない美しい場所だった。グラウドは屋敷の前で、自分の特殊能力を調べることにする。
自分の身体である。およその見当はついていた、グラウドは身体能力を人間の限界まで引き出している…。
だが―
グラウドは拳の筋力に意識しながら、目の前にある大きな岩を殴りつける。
大岩は信じられないほど粉々になる。
次は、足の筋力に意識して、踏み込んでみる…!?一気に十メートル程移動した、踏み込んだ場所の地面が大きな穴を開けている。
次は、レインが向かった泉に紅眼を向け視力に意識する。
見えるばずのない、花咲く森の泉、その中から現れたレインは、一糸も纏わぬ姿でありながら、他を圧する不思議な力を発していた。ぬけるように白く細い身体……。
風に靡く、濡れた長い黒髪。
まるで泉の主が自らの身体を美しい女の姿と化し、午睡の為に暖かな泉のほとりに現れたかの様な光景……。
臭覚に意識を込めるとレインの甘い体臭まで嗅ぐことができ……。聴覚を意識すればレインの吐息まで聞くことができた。
グラウドは副作用による、特殊能力を完全に理解した。意識しないかぎり人間の限界ギリギリの身体能力だが、意識すれば肉体のありとあらゆる身体能力が人間の限界を簡単に超えるようだ。
グラウドは自分の能力に慣れる為に、折れた大剣のかわりに木の枝を剣がわりに鍛練を始める……。

しばらくして、深紅のローブに身を包んだレインが泉から戻ってきた。木の枝で鍛練をしているのを確認すると、レインは屋敷の一室まで呼ぶ。
グラウドが部屋に入ると、部屋の中央に深紅の鎧が飾られている。「この鎧は、邪神の鎧と呼ばれている。わたしの祖父が『死と血の邪神ブランデル』を媒介に鍛えた鎧だ……。身に着けてみるといいグラウドなら主人として認められるだろう……認められなければ取り殺されるがな…」
レインが感情の籠もらない口調で話す。
「…おもしろい!」
不敵に笑うとグラウドは、邪神の鎧を身に着ける…。
すると―
鎧は誂えたように、グラウドの肉体にあった寸法に変化する。
「……認められたようだな」
レインは、少し嬉しそうに言う。
グラウドは邪神の鎧に着いていた、漆黒のマントに手を伸ばすと……。
「そのマント、わたしが魔術反射の魔法を付与しておいた」
レインが言った。
グラウドがマントを身に着けていると、レインが奥から漆黒の大剣を持ってくる。
「これを…。魔剣ゴットバスターだ……わたしが鍛えた。未完成だが……」
グラウドは漆黒の大剣魔剣ゴットバスターを受け取る。

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