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魔皇帝伝説
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魔皇帝伝説 6

レインは、いかにも自分が物知りだと、自慢げに豊満な胸を張る。「……そっそうですか……」
呆然とグラウドがつぶやく。
「うむ!…よし、血の契約をするぞ!!」
レインはグラウドを跪かせると、呪文を唱えながら、唇を浅く噛み切った。
口の中に血が溜まると、レインはグラウドに顔を寄せ……唇を重ねる。
グラウドが戸惑う。レインは口の中の血を、グラウドに流し込むと。
二人は神々しい光を放つ五方星の魔法陣に包まれる。
 
鼓動がうるさい。
身体が熱く、自分が何か別の存在になっていく感触を目を閉じて味わいながら、グラウドはゆっくりと目を開いていく……!?
その瞳はレインと同じ赤い紅眼となっていた。
「うむ!これでお前もわたしと同じ不老不死だ。あとは、どんな副作用があるか確認するだけだ……」
無表情だが、どこか嬉しそうに言うレイン。「……オレが…不老不死……?…いやっ!それより副作用ってなんだ副作用って!!」
グラウドはレインに詰め寄る。
「うむ!この魔法を自分以外の人間に使うのは初めてだが……研究の結果、使った相手によって違う副作用が出るらしいのだ。ちなみにわたしは、副作用によって《無限の魔力》を手に入れたがな」
レインが自慢げに魔法の説明をする。
「……無限の魔力……それは副作用なのか……?」
「うむ、不老不死以外の予測不能能力だからな……」
グラウドの疑問に答えるレイン。
「……不老不死に特殊能力か……」
グラウドが、ささやくようにつぶやく。 「これで血の契約は終わった。わたしはお前の女だぞ!!」
グラウドは、自分の正しさを当然のように信じている、この美しい魔女に仕返しを思案すると……。
「本当に、オレの女になってもらうぜ!」
「……っ!?」
グラウドは不敵な笑みを浮かべると、レインの体を抱き上げる。
突然のことに驚いて首にしがみついたレインに、グラウドがささやく。
「……身体で契約をしてもらう…」
小さく頷くレインを、抱き上げたまま屋敷に入っていくグラウド……。
「そんなに震えるな」苦笑しながらグラウドは、レインをベットに横たえる。
レインは、むさぼるような口づけに心をゆだね、目を閉じる。
 
 
翌朝、レインはグラウドの腕をまくらにして横たわっている。やがてレインが目を覚ますと、間近にグラウドの顔があり、慌てて顔を隠そうとして、レインは鼻先までシーツを引き上げた。
「よく眠れたか?」
「うむ…」
「身体の調子はどうだ?」
グラウドの問いに、レインは無表情の美しい顔を赤らめた。
昨夜の経験は、レインが千年の人生で初めての驚きだった。
衣服を脱ぐのが、あれほど恥ずかしかったことわない。グラウドの強靱な肉体は熱く、それに包まれ幸せを感じた。
破瓜の苦痛も、想像以上に強かったが幸せだった。

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