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魔皇帝伝説
その他リレー小説 - 戦争

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魔皇帝伝説 5

「……逃げても…攻撃されないんだろうが……戦士の性だな、強い相手がいると、戦わずにおれないんだ」
グラウドは、不敵な笑みを浮かべる。
「うむ……」
レインの赤い瞳が興味深げに見つめてくる。 
グラウドはレインに向かって疾駆した。
レインの周りに浮いていた。数本の『ミスリルグレブ』がいっせいに、襲いかかる。
「速いな…!」
グラウドはそう言いながらも、鋭い剣捌きで『ミスリルグレブ』の猛襲を防いでいる。
しかし、大剣の強度が耐えられずに、切っ先から三分の一ほどが折れる。
だが、グラウドは気にすることなく折れた大剣で、襲ってくる何本もの『ミスリルグレブ』を叩き落としていく。
そして、九本目の『ミスリルグレブ』を叩き落とした時。すでにグラウドは間合いに踏み込んでいた……。
だが、その瞬間!グラウドの背後から『ミスリルグレブ』の地を這うような一撃が襲いかかる。
グラウドは反射的に、腰のベルトから片手でショートソードを抜き、後ろを振り向きもせず気配だけで『ミスリルグレブ』を叩き落とす。
「…!?」
グラウドの異常な剣技のまえに。レインは、僅かな驚愕の表情を見せる。
間合いを詰めたグラウドは、もう片方の手に握られた、折れた大剣をレインの首筋に振り下ろす……。
 
…グラウドの繰り出した大剣の刃は、レインの首筋に性格に切りつけられていた。あと一押しで、紙を切るようになんなくレインの首を斬り飛ばすだろう。「……なぜ斬らない?わたしが、いくら不老不死でも、首を切り落とせば死ぬぞ…」
レインは感情の籠もっていない口調で言う。
「…依頼は、あんたを捕らえることだが…、オレにはもともとその気はない。美人の魔女を一目見ようとしたら、あんたが異常に強いから戦いたくなっちまったのさ……。でも、まぁ…あんたを自分の女にしたくなった領主の気持ちも、わからなくもないな……」
レインの首筋から大剣を引きながら、苦笑いまじりに話すグラウド。
「……お前も、わたしを自分の女にしたいのか……?」
レインの赤い瞳が興味深げに見つめてくる。無表情のレインが頬を少し赤く染めているのは気のせいだろうか?
「……?あっああ、あんたを自分の女に出来るなら、世の男達は神とだって戦うだろうな…オレも含めてな…」グラウドが少し驚きながら答えると、レインが無表情に「…うむ」と頷き思案し始める。「……じゃあ、オレは帰るか―」
「わたしは、お前の女になる事にした…!」グラウドの言葉を、レインは最後まで言わせる前に、感情の籠もっていない声でさえぎる。
「……っ!?」
「…どうした?…安心しろ!わたしは千年以上生きているが、誰かの女になった事はないぞ、生娘だぞ!男が、そうした事を気にする事ぐらい知っているぞ……」

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