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魔皇帝伝説
その他リレー小説 - 戦争

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魔皇帝伝説 3

「か、堅いよ―!」
ゴーレムにナイフを投げつけたシイナが叫ぶ。
間合いを詰めたジェスとキッドは、それぞれ武器を持ってゴーレムの胴体部分に攻撃を開始した。
「くっ―!!」
「ほ、本当に堅い!」ゴーレムの胴体に長剣で斬りつけたジェスとキッドが腕をさすった。どうやらしびれたらしい。
その時、攻撃を受けたゴーレムが、さらに手足を滅茶苦茶に振り回し始めた。
そして、ゴーレムの振り回した手が、盾を構えたキッドに直撃した。
「うおっ!!」
ゴーレムの攻撃を受け止めた盾は、火花が飛び散り、甲高い金属音を辺りに響かせ、キッドの身体ごと後方に飛ばされる。
「キッド―!!」
飛ばされたキッドに気を取られているジェスに、目をつけたゴーレム。
ギギィーッと金属音を響かせ、長い腕を振り上げた。
「ジェス、危ない!」グラウドが叫ぶ。
しかし、ジェスの頭上にゴーレムの手が………!?
「…斬るしかない」
決断したグラウドの行動は速かった。一気に間合いに踏み込み、ゴーレムの腕に斬撃を叩き込む。
キンッ……!澄んだ金属音が響き渡る。
ゴーレムの長い腕が見事に切断される。
「さすが!エンド最強の傭兵!!」
シイナが歓声をあげる。
グラウドの大剣には、魔法の付与はされていない。グラウドの人並み外れた剣技が可能にしたのだ。
「しめた!動きがおかしくなってきたぞ!」というジェスの声がした。
見れば、たしかにゴーレムの動きが変だ。
片腕を切断されたことで、バランスがとれないようで、ヨタヨタしている。
「止めだぁ―!」
グラウドが気合いの声をあげながら、ゴーレムの長い片足を切断する。
ギィギィギギギ……。キィィィ―……。
機械の断末魔のような、悲しい……何とも言えない金属音がして。そして、金属の巨人は倒れた。
ものすごい轟音と、砂塵と共に。
 
ゴーレムを倒したグラウドたち。
吹き飛ばされたキッドも、盾が少し変形しただけで、怪我もしていなかった。
仲間の無事を確認しあったグラウドたちは、千年魔女が住む屋敷があるという森の奥に向かった……。
 
しばらく歩くと、一軒の屋敷があり。屋敷の前には、深紅のローブに身を包んだ、とびきり美しい女性が立っていた。
……憂いをおびた赤い瞳……優雅な身のこなし…雪のように白い肌…星空の如く輝く黒い髪………。
その美しさは人間を超越したまるで天使か女神、はたまた闇夜に輝く白い月を思わせる。

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