PiPi's World 投稿小説

魔皇帝伝説
その他リレー小説 - 戦争

の最初へ
 14
 16
の最後へ

魔皇帝伝説 16

情報処理隊の隊長セリアは、エンドの南にある森の王国リスト出身の美しいエルフである。サラサラの長い金髪に緑色の瞳をした彼女は王位継承権第三位の父を持ち世間知らずのお嬢様として育てられた。
しかし、彼女はある日外界との接触を閉ざしているリスト王国に疑問を抱きリストを出てエンドに来た……。
世間知らずの彼女は直ぐに騙され金品を全て騙し取られた……失意の彼女はリストに帰る途中に野党に襲われる。その彼女を救ったのがグラウドだった。
グラウドに一目惚れしたセリアは、彼を追うように傭兵となった。
セリアは多くのエルフがそうであるように一流の精霊魔法の使い手であり、古代魔法の使い手でもあった。
そのおかげで傭兵として直ぐに名をあげた。常にグラウドの傍らで戦う彼女を人々は最強の傭兵魔術師と呼んだ。
しかし、半年前の戦争でグラウドはエンド国に絶望し、セリアにリストに帰るように言い姿を消した。
だからグラウドから呼ばれた時、誰よりも早く駆け付けたのだ。
因みにレインの存在はかなり不満である。
 
 
「状況報告を」
いい終えると団長専用の椅子に腰掛けたグラウド。
さらにその周囲に親衛騎士隊の美女たちが立った。
「グラウド団長の予想どうり南方将軍ダクロのもとに約二週間で約五万の軍勢が揃い進軍を開始すると予想されます……」
司令室の中央にある巨大な水晶地形表示装置をセリアは指で示しながら説明した。
「そうか……シイナ達の方はどうだ?」
説明を聞くとグラウドが尋ねた。
「シイナ隊長率いる隠密部隊は、すでに南方軍への潜入に成功したと、連絡がありました」
セリアが答える。
グラウドはうなずく。どういう結末を迎えるにしろ、事態はすでに動きはじめている。今回の南方軍との戦闘は、5万の南方軍にわずか1000の騎士団で挑む無謀な戦いである。しかし、グラウドは勝利を確信していた。しかも……圧倒的な力による完全勝利を…。「この戦が終わった時、クロス大陸全土の国々が俺に恐怖するだろうな……」
グラウドは、苦しげに呟いた。
「必要な事だ…」
グラウドの呟きが聞こえたのか、隣に控えるレインが答える。
 
そう……この国には必要な事だ。正義の英雄でなく、隣国が恐れて侵攻できないほどの恐怖の魔王が……。
「ローグス教国に限らず、今はどの国に攻められても無法国エンドは滅びる……その事を半年前に教えられたからな……」
グラウドは、話しながら半年前を思い出す。 
半年前―
エンド西の国境に突如侵攻を開始したローグス軍15万に対し、エンド王ダイガは、辺境の常駐軍隊だけじゃなく、傭兵隊まで徴用した。その総戦力は約40万。
 

SNSでこの小説を紹介

戦争の他のリレー小説

こちらから小説を探す