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クロス大陸戦記
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クロス大陸戦記 10

ゼスティンが後ろを振り向くと、絶世の美女が立っていた。
「聖騎士樣を、驚かせてしまいましたね」
くすくすと笑いながらセシリーは、ゼスティンを見つめる。
その仕草と、広間から射し込む光で幻想的なセシリーの姿に、ゼスティンは見惚れてしまう。
何も答えない事を不思議に思いセシリーが近づいてくる。
しかし、急に歩みを止めた彼女は頬をぽーっと赤く染め、ゼスティンを見上げた。
「どうかしましたか」今度は、ゼスティンが不思議になり聞く。
「いっいえ、今日は月も雲に隠れていて、お顔が見えませんでしたので・・・」
頬を赤らめながら、どこか焦ったように答えるセシリー。
「そうですか」
小首をかたむけながら答える、ゼスティン。「セシリー樣は、どうしてこのような場所に?」
護衛の二人を連れずにいる彼女を不思議に思い聞く。
「父に言われて出席したのですけど、退屈だったので・・・そっそうだわ!・・あっ・あの良かったら私と踊ってくれませんか」
妙案が浮かんだといった感じで、さらに頬を赤らめながら言うセシリー。
「喜んでお相手さしてもらいます聖女樣」
ダンスが好きでわないゼスティンも彼女に誘われたら断るはずがなかった。
二人が広間に入り、踊りだすと周りの人々が踊るのを止め、二人の姿を見惚れるように眺める人達で人垣ができていた。

その時!王城ヴァルハラに悲鳴が轟く!!。同時に広間の入口が開き異形の影が天井に舞いあがる。
天井に舞いあがる後ろ姿を、ゼスティンはしかと見た。
コウモリのごとき翼をもった奇怪な人型の生物である。
天井のところで、こちらに振り返った。
觜のように尖った口。肌は赤黒く、三本の尻尾が生えている。
三つの目は、瞳はなく、赤く不気味に輝いていた。
「魔族です!確か、ガーゴと呼ばれている中級魔族だと思います」セシリーがゼスティンに話す。
話を聞いたゼスティンは、腰の剣を引き抜き魔族の傍まで行くと、剣を両手に持ち、正眼にかまえた。
「降りてこい、魔族!ここは、冥界の住人が居るところでわない」ゼスティンは、叫んだ。
奇怪な声を発しながら有翼の魔族が急降下してくる。
ゼスティンは気合いの声をあげ、降りてくる魔族に剣を突き出した。

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