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クロス大陸戦記
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クロス大陸戦記 11

閃光のような突きが魔族の翼を貫く。
翼を貫かれた魔族は地面を転がるように倒れる。
だが、首を切り飛ばされても暫くは動きまわると聞く生命力をもつ魔族は直ぐに立ち上がると再びゼスティンに襲いかかる。
「無駄だ!」
ゼスティンは大きく踏み込むと、閃光のような剣をふるった。 次の瞬間、魔族の首は切り飛ばされる。
さらに、ゼスティンは崩れ落ちる体に神速の4連突きを人間で言う急所箇所に放った。
「凄いですね、中級魔族は熟練の戦士が五人でかからないと倒せないと書物に書いてあったんですが・・」
セシリーは片手にレイピアを持ってゼスティンの傍にくる。
両脇には、ドワーフの神官戦士と老司祭を従えている、おそらく援護するつもりだったのだろう。
「いえ、まだ修業中の身です、それに・・」ゼスティンは入口に目を向ける。
そこには、魔族に殺された城詰めの騎士たちが倒れていた。
セシリーは、至高神に彼等の冥福を祈る。
「ゼスティン!」
パイスの緊迫した声がする。
そして、入口から広間に異形の怪物が次々と入ってくる。
「下級魔族です!一匹一匹の力が熟練の戦士二人に匹敵するそうです」
セシリーは、説明しながら魔族に向って行く、二人の司祭もそれに習う。
パイスを含む聖騎士10名も魔族に切りかかって行く。
その時、入口に新たな魔族が現れる。
「出たな!」
グリフォンの翼と獅子の頭を持つ魔族だった。
魔族は人間では考えられない速度で、ゼスティンの頭を噛み砕こうとした。
ゼスティンは、その攻撃を左腕の鎧部分で受け止めた。そして、魔族の胴を剣で払い、神速の連続攻撃で両腕を切り落とす。
怒り狂った魔族は、左腕を噛み砕かんばかりの勢いで押し込んできた。
騎士隊長以上でなければ武具に魔法付与されていないとはいえ、ドワーフでも作る事の出来ない特殊な製法で作られた聖騎士の鎧は、大陸一の防御力を誇る。
しかし、魔族の牙は軋んだ音をたてながら鎧を突き破りつつある。恐るべき力だった。
ゼスティンは気合いの声をあげ、窮屈な態勢から鮮やかな剣の運びで、魔族の首を切り払った。
青の体液が噴き出し、苦悶の叫びをあげながら魔族の頭が地面に落ちる。

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