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クロス大陸戦記
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クロス大陸戦記 8

態勢を崩したアスベルに“カルス”は神速の一撃を放つ。
巨大なバトルアックスが空中に弾け飛ぶ。
「負けた!負けた!」アスベルは、地面に腰を下ろし、大笑いしだす。
一頻り笑った後、アスベルは真剣な顔をして立ち上がると“カルス”の前まで行き、その場にひざまずいた。
周りにいる全員の騎士たちもそれに習う。 「今日この日をもって我々南部騎士は“カルス”隊長に忠誠を誓います」
“カルス”が驚いていると。
「別に試合に負けたからってわけじゃありませんぜぇ」
アスベルがニヤリと笑う。
「俺たちは、隊長のことを些細な動き一つみのがさず観察していました」
ディオスは、ひざまずいたまま話す。
「僕達、“カルス”隊長の国や国民に対する考えかたに感銘をうけたんです!」
確か、トロアと名乗っていた若い騎士が叫ぶ。
「それに、隊長はこの村が宰相の圧政から逃れていることを本当に喜んでくれやした。あとは、隊長が部下たちの命を預けるにたる力があるか試さしてもらいやした」
すみませんでした。と土下座をしながら話すアスベル。
「命を預ける指揮官の実力を知りたがるのは当然ですよ」
“カルス”は爽やかな笑顔を浮かべている。「ヤロー共!隊長の歓迎の宴を続けるぞ!」アスベルは、立ち上がると大声で叫び、騎士たちは歓声をあげる。
宴は夜遅くまで続いた。
宴が終わり、眠りについた“カルス”いやゼスティンは夢を見た。それは3年前、ゼスティンが神光聖騎士団の厳しい試練をくぐりぬけ聖騎士に任ぜられた日。
その祝いとして招かれた王城ヴァルハラでの宮廷舞踏会で起こった事件の夢だった。
「ゼスティン!俺、舞踏会なんて初めてなんだ・・・どうすれば良いんだ?」
真新しい聖騎士の鎧を着た男が聞いてくる。「さぁ・・・俺も初めてですから」
ゼスティンが苦笑しながら答える。
ゼスティンと同じ日に聖騎士となった10名の中で最も年が近い、と言っても五つ年上のパイスは、疑わしげな目で見る。
「堅牢の騎士メキス樣の息子が舞踏会が初めてなわけがあるか!」パイスは周りに聞こえないように言う。
「本当ですよ。父さんは、舞踏会とかは余り好きでわないらしくて、当然!その息子も好きでわないわけで、出席したことがありません」
苦笑しながら話すゼスティン。

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