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クロス大陸戦記
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クロス大陸戦記 3

ゼスティンは、楽しそうに話す。
「それで、本当ところは何だ」
メキスは皮肉っぽく笑って、もう一度聞く。
ゼスティンは、厳しい表情を浮かべ。
「・・・今、神聖帝国ゼビアの実権は宰相バロの物です。クーリ皇帝は病に倒れ、幼少の皇子には政治を治める力はありません。宰相バロは民に圧政をしき強引に税をとり、多くの民を餓死させています・・・」
「・・・本来なら王族の護衛を任務とする近衛騎士団は、宰相バロが身分を問う事なく、手練れの戦士を集める事で、自分の私兵にしてしまい。その、恐るべき戦闘集団を使い自分に逆らう貴族に騎士、それに民衆は次々と処刑された」

「・・・それでも、宰相を倒そうする民衆は多く南部にゼビア革命軍の本拠地があると噂で聞きました」
メキスは、納得した顔をする。
「なるほど、新しく南部に赴任した若い聖騎士隊長なら、上手くすれば革命軍に取り込める。しかし、剣聖ゼスティンでは有名過ぎるか・・・」
メキスの鋭い眼光がさらに厳しくなる。
「革命軍と繋がってどうする」
ゼスティンは、メキスの眼光を真直ぐ受け止める。
「・・・革命軍の志の高さを見ます。もし、つまらない物であれば消します。しかし、その志が天より高き時は革命の剣に・・・」
メキスは、何も言わず背を向けると部屋の出口に歩きだす。部屋の外に出る直前で立ち止まると、顔だけをゼスティンに向ける。
「南部に行くなら、アラジン王に会うかもしれんな。まだ冒険者をしていた時の彼と剣を交えた事があるが、かなりの使い手だ。恐らくお前が今まで出会った事のないタイプの剣の使い手だろうな。騎士の剣でなく遺跡の中のモンスターを倒し鍛えた剣だ、一度手合せしてみるといい・・・・」
メキスは溜息をつき、顔をうつむかせる。
「私は、病のクーリ皇帝と幼少のアムリス皇子を見捨てる事はできん。たが、腐ってしまった国を戻すには。一度、全部を壊し作り直すしか、ないのかもしれないな。・・・次に会う時は、敵同士かもしれんな。ゼスティン」
メキスは目で別れを言い、部屋を出て行った。

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