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クロス大陸戦記
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クロス大陸戦記 2

父親と呼んだ男と同じ銀色の髪した若者は聖騎士の鎧を全身にまとい、腰には長剣を差していた。
「しかし、百年に一人の騎士と言われ。17才で神光聖騎士団の騎士隊長となり、剣聖ゼスティンと呼ばれる、お前をどんな理由で南部軍に転属させたんだ宰相バロは。」
ゼスティンと呼ばれた若者は、周りに人の気配がないのを確認し・・・・・・
「宰相バロは、もともと前の宮廷魔術師ですから策略は得意でしょう」
ゼスティンの父親は軽く拳を握りしめる。
「フーリ皇帝は学者肌の聡明な方ですが。今は、重い病にかかり正しい判断が出来ないでしょうから」
ゼスティンは、溜息を一つして父親を見る。
「あとは無法国エンドのクーデターから逃げてきた。エンドの騎士達が、西部で略奪行為をしていると誤報を流せば。ゼビア帝国の防衛を任されている神の盾騎士団。団長『堅牢の騎士メキス将軍』と呼ばれる父さんが自ら西部に赴く」
ゼスティンの父メキスは眉間にしわを寄せ、口を開いた。
「この俺が西部遠征に行っている間にゼスティン。お前の南部転属を決めるわけか、大した策略だな」
「ええ、ゼウアの大司祭オーバ樣は反対してくれたそうですが。皇帝の承認と、宰相の承認に現在の宮廷魔術師ケリコは宰相バロの直弟子ですから」
ゼスティンは、メキアの目を見詰めた。
メキアが見詰め返しながら答える。
「それでどうする?」ゼスティンは、顔を引きしめる。
「勿論、南部に行きます。ただし、聖騎士隊長カルスとしてですが」
「名を変えて、南部で何をするつもりだ」
メキアは、考えを探るように聞く。
「宰相達は、南部に飛ばされた事を隠したがっていると思ったみたいですが。実際、名目は皇帝の密命を受け旅に出た、と言う事にしてくれました。本当の事は、皇帝、宰相、大司祭に宮廷魔術師の4人の秘密にしてくれるそうです。目的は中央の神光聖騎士団の力を割いて子飼いの近衛騎士団の影響力を強くする事だから、あとの配慮は色々やってくれます」

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