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クロス大陸戦記
その他リレー小説 - 戦争

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クロス大陸戦記 18

「一目で魔将軍と分かる博識に、この世の物と思えぬ美しい美貌の少女・・実に興味深いな!・くっくっくっ」黒いフードの男が不気味に笑う。
そこに隙を見つけたのか、5人の近衛騎士が一斉に黒いローブの男に襲い掛かる。
たが、傍にいた魔将軍が、肩に担いでいた大薙刀を近衛騎士の胴めがけて一閃させる。凝視していたつもりのセシリーでさえ、その動きについてゆけなかった。
5人の近衛騎士は、その一振りで真っ二つにされ、地面を血の海にした。
「強いですね・・・」ゼスティンが言った。その顔は、いつも以上に真剣で、もともと端正な顔である為、魅力的なカリスマ性を持つ表情を見せる。
「はい・・魔将軍は、冥界の王に次ぐ高位の魔族です。そんな化物を召喚できるなんて・・・・」
レイピアを強く握り締めながら答えるセシリー。
「そろそろ、首にさげている宝玉を渡して貰えませんか?クーリ皇帝、そうすれば命をとったりしませんよ・・くっくっくっ・・」
黒いローブの男が不気味に笑いながら話す。
「ふざけるな!貴様などに皇帝の宝玉を渡せるか」
近衛騎士隊長らしき男が叫ぶ。
「やれやれ、人間が魔将軍に勝てない事は十分に見せたつもりでしたが、まだ犠牲者が必要ですか?くっくっ」「本当に宝玉を渡せばおとなしく帰るのだな・・・」
黒いローブの男の言葉に答えるクーリ皇帝。「皇帝!」
皇帝の言葉に驚きを隠せない近衛騎士達。しかし、渡さなければ魔将軍によって、この場にいる全員が殺されるのも事実であった。
「相手をしてもらいましょうか」
ゼスティンは剣を鞘から抜くと、無造作とも思える足取りで魔将軍に向かって進んだ。
「ゼスティン!」
驚いたセシリーが声をかける。
ゼスティンは、大丈夫だと目で合図を送り進んで行く。
「ほう・・・まだ理解していない人がいましたか。まあ、いいでしょう・・もう一人位、見せしめが必要ですかくっくっくっ」
黒いローブの男が、不気味に笑う。
「始まった!」
近衛騎士の一人が緊張した声をあげる。
セシリーは、ゼスティンと魔将軍の戦いに注目した。
魔将軍は大薙刀を振り上げ、風車のように頭上で回転させる。
「がんばって、ゼスティン・・・」
セシリーが、呟く。
その声が聞こえたのかどうか、まずゼスティンが仕掛けた。
間合いを詰めると、神速の剣を魔将軍の胴めがけて一閃させる。その場にいる誰にも、その動きは捕えられなかった。
たが、魔将軍は大薙刀の柄で、ぴたりとゼスティンの攻撃を受け止めた。
火花が飛び散り、甲高い金属音が室内に響く。大薙刀は魔力を帯びている為か、凄まじい長剣の一撃を受けても傷一つついていない。

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