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死刑戦争
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死刑戦争 3

韓国空軍は自身が持つ機体や人員で精密爆撃を試みるも朝鮮半島自治政府軍は旧体制崩壊後にサーブ39グリペンNGを少数導入、エース部隊によりゲリラ的に運用しており、韓国空軍のF−15kSEは無理やり付けた自国の精密誘導弾を放棄して逃げ帰る事態になり制空圏に関しては朝鮮半島自治政府軍が優勢である。韓国海軍のイージス艦もミサイル攻撃を試みるも誘導する人工衛星の不具合により迷走、日本へと飛行するも日本海に展開していた列島防衛海軍により迎撃された。

「ミサイル迎撃成功です、霧島が迎撃を確認」
改金剛級霧島からの発光モールス信号がそれを告げる。
「そうか、あちらさんは本当に開城を狙ったのか?」
「そのようです、今首相が直々韓国大使の首根っこを捕まえて問いただしているようで」
日本武尊の艦内CICにて副長が言う通りの表現で聞き出しているとは思えないが……この事は何れ日本国内に知られるだろう。
「既に我が艦隊は当該艦艇の位置を特定済みです」
「引き続き監視、命令次第では撃沈させる」
「宜しいのですか?」
「朝鮮半島は今後米ロ主導の国家になる……少しでも間違った思想に蔓延している軍人を減らしたいのだろう」
「全く、アメリカさんもこまったもんですな」
「流石に今の時代に日本と併合させる訳にもないだろう、名目上は中国の自治領だが半ば独立国家だ」
モニターには艦載機が着艦、手慣れたように収容作業をしている。
先程の韓国海軍ミサイル誤誘導事故に対処する為にスクランブルさせた機体には何れもミサイルが無い……霧島の対艦ミサイルと共に韓国軍のミサイルを撃破している。
「詫びの言葉もないとは……」
「相手はそれどころじゃないと思いますが……広報部に一任して宜しいですね」
「うむ……」
デジタル時計は深夜三時を示していた。同時刻朝鮮半島自治政府軍の主力部隊が動くと同時にソウル要所で仕掛けられた爆弾が爆発、都市インフラ機能を奪い去っていた。


大韓民国大統領府は混乱の極みに達していた……厳重警戒した個所全てが爆破されていた。
「どういうことだ!!!」
「げ、現場総責任士官も巻き込まれまして……」
何れも戦争前に整備した個所だ……考えられるのはその段階で爆薬を仕込まれた可能性がある。
韓国の建築業は日本よりも下請けや丸投げが多く、破壊活動の恐れがあったので制限している筈だが……現実に起きた事を考えると法令順守がなされてない。
「前線に送る部隊の幾つは治安維持の為に展開させてます」
「ちっ!」
戦時下のブラックアウトほど最悪な事は無い。
「各原発は無事です、それと死刑囚部隊を開城に送り込み破壊工作をさせます」
「な、聞いてないぞ!」
「陸軍が焦っている模様です……」
「機械の損失計算しておけ……それと作戦の最高指揮官を更迭」
自家発電により何とか大統領府は機能を維持しているがソウル市内各所は混乱している。
停電と同時に市中心部にある複数商業個所で暴動が発生し略奪行為が横行、これは格差が開き劣悪な国内製品に辟易していた低所得者にとって高品質の外国製品を手に入れるまたとないチャンスだ。セキュリティーシステムも電気が無ければ役に立たない、ガードマンも年齢的に兵役を免除された老人が多く役に立たなかった……従業員も商品よりもお金や帳簿と言った重要なものを持って逃げるしかなかったのである。
「やはり発生しましたな」
「ああ、さてさて……何日で収まるかな」
ソウル市内にある日本国大使館はこの事態でも対処出来るように自家発電機や非常食を備えている。しかも核シェルターにもなる地下室もあり大使一家に随行する部下やその家族なら人数によるが半年は籠城出来ると言う。これは竹島紛争後に新築され完全に日本の建築会社数社が施工している。何しろ米国大使館と同じ規格を持つ通信システムがあるので本国とのやり取りにも困らないのだ。
「邦人は?」
「ソウルに住んでいる邦人は全員無事です、最も独身者が殆どですので」
大使はヤレヤレと思う。

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