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死刑戦争
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死刑戦争 2

紛争と言っても僅か一日で終わり、韓国側名称である独島に駐留していた韓国軍戦力は敗走。空中戦でも日本列島防衛空軍の前に敗れ去り逃げ遅れた空中給油機やら電子作戦機を全部撃墜される、独島防衛隊は全員自決すると言う大失態までついた。アメリカ政府が半ば大韓民国政府に脅す形で紛争を終結させた……迷走した政治情勢に更に混乱をかけ、韓国経済は反韓国の嵐により低迷、一方北朝鮮も長らくの共産主義体制が維持出来ずに後ろ立ての中華人民共和国も北京を初めとする都市同士の間で争いが続いており支援に頼りきった経済が疲弊。アメリカや日本にA.S.E.A.N.加盟国は北朝鮮が崩壊すると情勢安定の名目で軍を派遣、韓国は完全に無視されたのである。軍の暴走の末に大韓民国が朝鮮自治政府に侵攻する結果は日本も少しばかり責任があるが結局は大韓民国側の責任があるのは明白である。
「始まりましたね……説得は?」
「国連大使が説得しているが聞く耳もたずだ、それどころか暗殺すらやりかねんぞ」
列島防衛海軍正規空母日本武尊のアイランドブジッチにて海軍将校二名はタブレットを見て呟く。現在日本海公海上に改金剛型イージス二隻に摩周型補給艦二隻を連れての展開している。
「統合幕僚本部より通達、敵軍を見つけ次第撃破せよ」
「冷戦は既に終わった事を教えてやれ……ソウルの連中に」
米海軍式ハンドリングで艦載機を誘導する甲板員は機体をカタパルトへとセットする。この空母は原子力ではなくガスタービンとIFEP(統合全電気推進)でありこれは英国のクィーンエリザベスやフランスのシャルル.ド.ゴールと同じく理由としてはやはり核を使う兵器に対するアレルギーがある。よくアメリカ軍関係者からは理解されないが仕方ない、核攻撃を受けた事無い連中には分からないのだ。
「A.S.E.A.N.加盟国では自国に居る大韓民国人の安全確保に動いてますな」
「我が国の場合は既に居ないに等しいがね」
海軍将校の言葉の意は竹島奪還紛争が発生した時、大韓民国は“日帝に与する在日は大韓民国国民で非ず”と当時の韓国大統領が発すると日本政府は待っていたと言わんばかりに無条件で在日韓国人に日本国籍を与えると声明を発した。殆どの在日韓国人や在日朝鮮人は日本国籍となる……彼らは韓国籍や北朝鮮籍を誇りに思わなくなったのは本国人の仕打ちが大きく、未だに本国人ですら海外移住願望が強く韓国政府も苦慮している。
「韓国軍が十二万人……これに対して朝鮮半島自治政府軍は二十五万人ですか」
「うむ、最新鋭の装備だが整備面で不安な韓国に対し長年の経済制裁でマンパワーが勝る朝鮮半島自治政府軍にも勝ち目はある。第二のベトナム戦争になりえるな」
海軍将校の言葉通りになろうとしていた。

北板門店を拠点に北へと侵攻する大韓民国軍の動きは実に散逸的であった。大韓民国軍の機動兵器体制は旧西側陣営に属するが稼働率は低い。特に陸戦の要でもある戦車は酷く、パワーパッケージは輸入に頼っていた。複製が出来ないのだ。戦車だけではない、陸軍を支える軍事車輛の多くはA.S.E.A.N.軍が採用しているモノよりも劣っているのだ。しかも真冬に宣戦布告したので寒波による凍結による事故や故障が相次いだ。これは韓国軍の錬度の低さ、インフラの脆弱さが産んだ悲劇であった。


これに対する朝鮮半島自治政府軍はロシアを初めとする海外からの支援を受け、旧式化激しい軍装備は独裁体制が崩壊して半年後には刷新しており慣熟訓練もロシアに拠点を置くPMCの努力もあって十分に作戦行動が執り易く、侵攻ルートの迎撃も始まっていたのである。
何よりも旧体制時には何時でも侵攻できるように計画が練られており今回の様に大韓民国が侵攻しても朝鮮半島自治政府軍の兵士は動揺する事もなく、士気に問題を抱えている大韓民国軍とは段違いと言えた。大韓民国も敵拠点に空爆出来ない理由、開城は南北両国の経済特区であり大韓民国からの企業が進出、北朝鮮の旧体制では貴重な外貨獲得になっていたのである。それが体制崩壊に伴う混乱で創業不可能になり、企業の設備や原材料撤退すら出来ない。しかも戦火による損失原因に大韓民国軍によるものなら国民世論がどうなるのか……朝鮮半島自治軍は工業団地に拠点を置く事は韓国企業が回収出来てない機械や原材料を人質にしているのだ。

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