これはフィクションであり、しかし、私たちの世界で起こり得る戦いである。
これを読むならばあなたは解ってくれるはずだ。
自分の非を…赦しを。
2052年10月2日、世界中で最後の輸入船が中国広東省広州港に着岸した。その２ヶ月前には東アジアの脅威である北朝鮮は崩壊し、アメリカ軍支援下にある朝鮮半島自治政府が成立した。しかし南北統一には程遠く、[朝鮮半島自治政府]は朝鮮半島全域領有を主張し、アメリカ軍は主張を承認した。それから米朝韓の間で三か国会議がもたれ続けていたが、会議は決裂、2053年1月3日10時30分大韓民国政府が朝鮮半島自治政府に宣戦布告、その17分後大韓民国軍が軍事境界線を越え南北朝鮮戦争が始まった。
韓国軍は北板門店に12万人を差し向け、１月14日陥落させた。
それに対し政府軍は25万人の兵力を京畿道・開城に集結させ、韓国軍の進攻に備えた。
周辺国家は溜まったもんではない……特に日本は切実な問題になりつつあった。諸事情からの立場上、日本はアメリカとの同盟もあって朝鮮半島自治政府を承認、A.S.E.A.N.加盟国と共に民主化に向けての支援を開始する事も決まっていた。ここまで拗れたのはやはり一世紀近くの休戦は大韓民国に多大なフラストレーションを齎し、傍若無人が周辺諸国のみならず世界中に反感を買っていたのである。

日本は２０２５年憲法改正により自衛隊を法律上“軍ではない状態”を廃止、改正憲法により“日本列島防衛軍”として再生、同時にA.S.E.A.N.に中国から独立した台湾が加盟。同年日本列島防衛軍は対中国に対する為にA.S.E.A.N.加盟国はA.S.E.A.N.軍が設立された。名目上は対テロ戦争であるのだが中国人民解放軍の脅威に立ち向かうのと韓国の暴挙に対する当てつけだ。この動きに大韓民国は反発し２０１６年に無理やり加盟したA.S.E.A.N.を脱退する暴挙に出た……そして日本を敵国と定めた、それは同年に起きた竹島奪還紛争に起因する。