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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 97

この直後連合軍の航空隊は引き返していった。
「赤城」と「加賀」は次の攻撃隊を発進させていたため飛行甲板は空で、格納庫に残っていたのも零戦が5機(「赤城」は4機)だった。そのため飛行機の積んでいるガソリンや爆弾に引火することはなかったが、着艦は危険な状態となった。
「我、戦闘航海ニ差シ支エ無シ。」
と「加賀」は発信したが、格納庫に残った航空機を発進させ、艦隊の後方に下がった。
「赤城」も4機の零戦を発進させた。帰還した「赤城」と「加賀」の航空隊は「瑞鶴」と「飛龍」に収容された。
「右45度敵機!」
またもや敵航空隊がやってきた。
ズドドドォ〜ン
高速戦艦4隻から主砲が発射された。
ドドドォ〜ン!
四式榴弾は多少爆発点が外れていても敵機に危害を与えることが可能な為、面白いように敵機は撃墜されていった。
未だ無傷の「飛龍」「蒼龍」「瑞鶴」から暴風10機、零戦18機、九九艦爆17機、九七艦攻12機、彗星艦爆7機の64機が発進し、敵空母艦隊に反撃した。
「右手対空砲火!」
「敵機!」
イギリス海軍の正規空母「インプラカブル」と「ヴィクトリアス」の2隻から飛び立ったハリケーン戦闘機20機である。
「敵空母発見!」
眼下に空母艦隊を発見した。零戦はこの邪魔なイギリス戦闘機をあっという間に12機撃墜、暴風が6機を撃墜し、2機は彗星と九九艦爆によって撃墜された。
「編隊をとけ。」
と小林大尉(艦攻搭乗)は命令した。編隊をとき、各個攻撃に入ったほうが得策と考えたのだ。
ダダダダダダダダダ
7,7ミリ機銃が艦爆から敵艦に撃ち込まれ、急降下爆撃が始まった。
ひゅうぅ〜
ドカーン
「ヴィクトリアス」の機銃台座付近に250キロ爆弾が命中し、黒煙を上げた。
ドガガガガガガガ
イギリス艦隊の対空砲火も凄まじい。
ゴオォォォ ドドドォーン
被弾した彗星が爆弾もろとも「ヴィクトリアス」の左舷舷側に体当たりした。黒煙は空高く上がり、空母の艦体が大きく揺らいだ。
「負けて堪るか。」
艦攻12機も艦爆の働きに触発され、まず800キロ徹甲弾で輸送船を轟沈し、更に「インプラカブル」の左舷に
ドグァァ〜ン!
魚雷を撃ち込んだ。

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