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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 1

1941年、この世界の「大日本帝国」は対米戦のプランを正式に決めた。
1、台湾からフィリッピンに航空攻撃を仕掛けその航空戦力を喪失させる。
2、同時にマレー半島に上陸する。
ここまでは史実と同じだが・・・・・・
3、機動部隊(正規空母6隻)は高速戦艦4隻と共にミンダナオ島を攻撃即座に占領する。
4、長門以下戦艦6隻はマリアナに進出し、アメリカ艦隊を迎撃する。
この3と4が後に大きな意味をなすのだ。

12月8日、台湾から零戦26機、一式陸攻30機がフィリッピンのクラークフィールド基地に飛来し、アメリカ軍航空機を破壊した。不意をつかれたアメリカ軍はなす術もなく大被害を受けた。
ほぼ同じ頃、空母部隊はミンダナオ島のダバオを空襲、その直後上陸した。あっと言う間にミンダナオ島を制圧した。
翌日にはサイゴンを飛び立った日本の九六式陸攻9機がブルネイを空襲した。
12月10日松永貞一少将は陸攻を放ちイギリス東洋艦隊を探していたすると入電。
「一一四五、敵主力見ユ。北緯4度東経103度55分、進路60度。」
すぐさま攻撃が開始された。
第1波、美幌航空隊の陸攻8機が攻撃を開始した。250キロ爆弾を「レパルス」に命中させた。航行に支障はなかったが、イギリス軍の艦隊は驚いたであろう。当時の常識では「航行中の軍艦に航空機からの水平爆撃はあまり当たらない」とされていたからである。
その後日本軍航空隊は激しい空襲を続けた。「レパルス」は14時4分に沈没した。「プリンス・オブ・ウェールズ」は第5波の500キロ爆弾を14時3分ごろ後部甲板に受けた。すでに魚雷により激しい浸水を招いていた同艦は14時50分に沈没した。フィリップス提督は退艦を求める部下に
「ノー、サンキュー」
と手を振り、リーチ艦長も
「グッドバイ、サンキュー」
と部下に別れを告げた。この後乗員の約8割は救助された。日本軍は騎士道を重んじて漂流している船員に対して機銃掃射をしなかったためだ。
そして12月11日、壹岐(いき)春記(はるき)大尉が戦場に花束を投下した。

アメリカ軍は大急ぎで太平洋艦隊をウェーク島経由でグアム島へ向かわせた。しかしグアム島の基地は日本軍機動部隊の総攻撃の前にあっという間に壊滅してしまった。
アメリカ艦隊は8隻の戦艦と2隻の正規空母などで日本軍機動部隊を攻撃しようとしていたが、マリアナに進出していた日本軍戦艦「陸奥」の水偵に発見された。
「敵艦見ユ、戦艦8、空母2。」
日本軍戦艦部隊はこれを攻撃すべく進撃を開始した。

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