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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 10

ミッドウェーにはその後第二陣、第三陣も上陸を完了した。アメリカ軍は無用の戦闘を避け残った船でハワイに撤退、日本軍はすぐさまここを基地化した。

8月1日、アメリカ軍はミッドウェーに反撃をかけてきた。まず空母「サラトガ」「レンジャー」「ワスプ」護衛空母「ロングアイランド」「コパヒー」「スワニー」「サガンモン」「コア」の艦載機が空襲をかけたのだ。
多数の空母艦載機による波状攻撃によりミッドウェーの陸上基地は甚大な被害を受けた。しかし日本軍の迎撃戦闘機も奮戦し48機を失いながら敵機126機を撃墜した。
日本海軍司令部はミッドウェーからの緊急電を受け連合艦隊に出撃命令を出した。小澤中将指揮の空母「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」「翔鶴」「瑞鶴」、近藤信武中将の高速戦艦「比叡」「霧島」「榛名」「金剛」と重巡8隻、軽巡4隻駆逐艦11隻がトラック島から出撃した。続いて山本大将直属の戦艦「大和」「長門」「陸奥」と軽空母3隻、駆逐艦8隻。高須四郎中将の率いる「山城」「扶桑」「日向」「伊勢」と重巡洋艦4隻。清水光美中将の潜水母艦「靖国丸」と潜水艦9隻などの各部隊もミッドウェーに急行した。
日本海軍はそれまでの戦いでかなりの実戦経験を積んでいた。しかし、アメリカ海軍は急ごしらえで、空母「サラトガ」の搭乗員など一部を除き訓練不足であった。小隊長らも士官学校上がりの若い者が目立った。
そんな日本軍水上戦隊にアメリカ軍の航空部隊が挑みかかってきた。おそらく艦載機だ。
「敵機来襲、防空戦闘!」
すぐさま「長門」「陸奥」が対空戦闘用意を完了した。しかし防空の零戦がアメリカ軍機を次々に撃墜して行った。日本軍機はあえて数機を撃墜せずに逃がした。敵機動部隊の位置を知るためである。
密かに戦艦「陸奥」から零式水上観測機を飛ばしこの後をつけた。

「敵空母軍発見。護衛空母ラシキモノ多数。」
すぐさまアメリカ軍の護衛空母郡を発見した。この旨を機動部隊の小澤中将宛に打電した。
「護衛空母か。さてどうするかね?」
小澤中将は参謀を見回した。正規機動部隊の出現を考えたのだ。
「よし。艦偵を発進させよ。また防空用に零戦を60機上げておくのだ。」
小澤中将は防備を固めた。
1時間後
「敵機動部隊発見。」
二式艦偵から無電が入った。
「直チニ出撃。」
小澤中将は即決した。攻撃力は零戦55機、九九艦爆90機、九七艦攻81機であった。攻撃隊長はお馴染の淵田中佐である。
「発進!」
226機の攻撃隊は艦隊の上で編隊を組むと敵機動部隊に向かって飛んでいった。

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