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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 9

「翔鶴」「瑞鶴」の攻撃隊が帰ってくるとすぐさま淵田美津夫中佐に率いられた零戦56機、九九式艦爆62機、九七式艦攻53機の合計171機が発進した。
「敵機動部隊発見。突入!」
この攻撃隊は空母2隻を猛攻撃した。「エンタープライズ」に250キロ爆弾11発を命中させ火災を生じさせ、「ホーネット」には250キロ爆弾3発と800キロ爆弾2発を命中させ飛行甲板に大穴を開けた。さらに駆逐艦5隻を撃沈し、迎撃にあがってきたアメリカ軍機42機を撃墜した。
これに続いて「瑞鶴」の零戦5機九七式艦攻22機がこれを攻撃した。「ホーネット」には5発、航行不能となっていた「エンタープライズ」には7発の魚雷を命中させた。こうして2隻のアメリカ空母に止めを刺した。
山本大将の戦艦「大和」「長門」「陸奥」「山城」「扶桑」「日向」「伊勢」はミッドウェー島の砲撃に向かう途中アメリカ軍の軽巡1隻駆逐艦6隻の水上戦隊を発見しこれを10分間で全滅させた。
「我、敵艦隊ト交戦セリ。之ヲ全滅ス。」
トラック基地やラバウル飛行場にもこの報が伝わり、兵たちは大歓声を上げた。

「戦闘、右砲戦。目標……」
「左前方敵艦!陸上砲撃中止!」
「水雷戦隊ハ之ヲ雷撃セントス。」
駆逐艦「響」「暁」「有明」「夕暮」「白露」「時雨」が敵艦隊に魚雷戦を挑んだ。これはアメリカ軍の輸送船団であった。ミッドウェーから脱出しようとしていたのだ。
「魚雷戦用意!」
「発射用意良し。」
「目標敵輸送船団。発射!」
ドドーン、ドドーン
酸素魚雷がアメリカ軍のコルベットを吹き飛ばし、輸送艦にも魚雷が命中し始めた。さらに駆逐艦「吹雪」「白雪」「初雪」がこれを追撃し、あっという間に全滅させた。
「敵船団全滅。」
改めて戦艦によるミッドウェー砲撃が行われた。
「主砲右砲戦!目標敵砲台。」
「砲撃用意良し。」
「射撃開始!」
「撃ち方始め!」
ドドドォン
ドドドーン
7隻の戦艦が一斉に砲撃を開始した。
ミッドウェー海岸に並んでいた砲台は木っ端微塵となった。
「大発発進!」
大量の上陸用舟艇がミッドウェーに向け放たれた。駆逐艦と軽巡洋艦はいつでも援護射撃が出来る態勢をとり、戦艦「大和」と「陸奥」から水偵も飛ばした。
「上陸開始!」
第一陣約1万人が上陸を開始した。と、その時各所から戦車が出てきた。
「敵戦車!」
「無電を打て!」
「敵戦車発見。艦隊ノ援護射撃求ム。」
しばらくして海上から砲弾が降り注いだ。米軍戦車はあっと言うまに壊滅した。

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