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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 86

戦艦「尾張」「淡路」が主砲の発射準備を整えた。
「主砲、右砲戦発射用意!」
「発射用意良シ。」
しかし、アメリカ軍編隊に上空護衛の戦闘機が挑んでいった。
ズドドドドドドドド
20ミリ機銃4丁を持つ暴風はB17の頑丈な機体にも甚大な被害を与え次々に火を吹かせた。
更に
ギュウゥーン
ドカーン
零戦がB17に体当たりし自爆した。
あっという間にB17は全滅。日本軍の被害は被撃墜零戦2、不時着(乗員救助)暴風1であった。
キュゥーン
上空護衛の戦闘機隊が着艦体勢に入ったときである。
「敵機来襲!」
レーダーが捉えきれない超低空からスカイレーダー55機が襲い掛かってきた。発見した時既にスカイレーダーは水平爆撃の体制にあった。
「しまった!主砲を除く各砲、射撃始め!」
ドッガガガガガガガガガガ
ザバーン ズバン
飛沫があちこちに上がる。
そして
ドカーン!
戦艦「淡路」が左舷後部倉庫に命中弾を受けた。対空砲火だけで防ぎきれる状態ではなかったのだ。
小火災が起きたがすぐに消火された。
ドウンッ
左舷後部には至近弾も受け、喫水線の上に穴が出来た。「淡路」の修理班が応急修理に向かった。
しかしその直後スカイレーダーは飛び去って行った。アメリカ軍の記録では未帰還24機であった。
戦艦「尾張」は被害無しであった。
「損害ハ軽微ナリ。艦ノ安全、戦闘航海ニ差シ支ヘ無シ。」
と、戦艦「淡路」は各艦に打電した。


同じ日、シアトルに到着した藍山5機がニューメキシコ北部のロスアラモスに向かった。燃料は満タンに入れたが、生還を期さない大博打であった。それは
「敵、秘密兵器研究工場を攻撃破壊。命と引き換えにでも成功させよ」
である。
ゴゥゴゴゴ……
エンジンは快調であるが果たしてどうなるのか。
途中で1機が故障のため引き返し、二度アメリカ軍戦闘機に襲われ2機を失ったが、残りの2機は何とか目標に辿り着いた。そして日付が変わった3月13日、ロスアラモスの研究施設を発見した。
「目標上空に到達。」
「各機攻撃開始。」
ヒュルルルル
ヒュルルルル
ドカン ドカン
ヒュルルルル
ドドーン
ヒュルルルル
グワァン
各所に黒煙が上がり
ピカァッ
ズドゴオォォォォ
ひときわ大きな轟音が上がった。

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