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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 84

その頃83機のB29と102機のスカイレーダー、そして65機のF4Uコルセアが向かった日本軍機動部隊はアメリカ軍の大編隊を捉えた。
「レーダーが敵大編隊を補足!」
「対空戦闘配置につけ!」
「敵機来襲。」
「現在の目標10機。…20機…」
「主砲、右砲戦発射用意!」
「四式榴弾の装填完了。」
ビビ〜ッ
「発射!」
ドドドォーン!
バババハァ〜ン
時限信管で炸裂する四式榴弾の威力は凄まじかった。
「凄いな……」
ドドドォーン!
バババァ〜ン!
狙われたB29は次々に黒煙を噴き墜落していった。
ダダダダダダダダ
ギュゥ〜ン
一方でスカイレーダーは雷撃体勢に入ろうとするところで日本軍戦闘機に襲われなかなか攻撃に入れなかった。しかし、戦闘機並みの旋回性能を持つスカイレーダーは日本軍の迎撃戦闘機をかわし、何とか攻撃の機会を狙っていた。
「高角砲、機銃!射撃開始!!」
砲術長の指示で高角砲と対空機銃も火を吹いた。
ドン、ドン、ドン、ドン
ズドドドドドドドドドド
スカイレーダーに対し激しい弾幕が張られた。
「魚雷航跡発見!」
「取舵45度!」
「右舷にも来たぞ!」
「取舵一杯!」
高速転舵によってなかなか狙いがつけられなかったが、それでもベテラン機銃員の必死の努力によって確実にスカイレーダーは撃墜されていった。
ドドーン ドドーン
「左舷後部被雷!」
「注排水装置作動!傾斜復旧を図れ!」
「我、『武蔵』左舷後部ニ被雷スルモ直チニ復元。速力25ノット可能。戦闘航海差シ支エ無シ。」
攻撃は「武蔵」に集中された。
「我、敵艦載機ノ空襲ヲ受ケツツアリ!至急救援ヲ乞ウ。」
この電文を受け救援に駆けつけた「宝鶴」艦載の暴風はスカイレーダーを次々に叩き落した。
「サンフランシスコ基地を破壊せねばならんな……」
戦艦「尾張」艦橋で小澤中将は呟いた。
「よし。攻撃隊を発進させよ。目標はサンフランシスコ基地の飛行場だ。」
「はっ!」
直ちに攻撃隊が編成された。「雲龍」「天城」「葛城」「紅鶴」から発進した攻撃隊がサンフランシスコに向かって飛び立った。その兵力は零戦20機、零戦艦爆10機、暴風30機、九九艦爆20機、九七艦攻20機、彗星25機、天山30機の155機であった。

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