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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 83

アメリカ軍はその工業量区をフルに生かし大量の航空機を生産していたため、本土にある航空兵力はかなりの物となっていた。
「ジャップを叩きのめすのだ。これ以上奴らの好きにさせるな!」
多数の被弾をしたB29、数を半分にして帰ってきたB17、そして命中魚雷が戦艦に1発のみに終わったスカイレーダー。これらの状況を見て逆にアメリカ軍は闘志を燃やしたのだ。
「発進!」
83機のB29と102機のスカイレーダーが65機のF4Uコルセアに守られて出撃した。

一方、この頃、日本軍の別働隊がロサンゼルスを取り囲むように配備されていた。潜水艦と駆逐艦の部隊である。これによりアメリカ軍の潜水艦を封じてしまおうというのだ。
その多くは駆逐艦や潜水艦で、アメリカ軍の潜水艦を爆雷で攻撃し、さらに潜水艦のバッテリーが切れて浮き上がってきたところを砲撃して一挙に撃滅する作戦である。
その戦力は以下のとおりである。
・砲雷部隊(南雲忠一中将指揮)
軽巡「神通」(旗艦)「大井」
駆逐艦「三日月」「夕暮」「夕凪」「雪風」
・水雷戦隊(田中頼三少将指揮)
駆逐艦「長波」(旗艦)「親潮」「黒潮」「涼風」「陽炎」「高波」
・対潜部隊(秋山輝男少将指揮)
駆逐艦「満潮」「朝雲」「山雲」「時雨」「嵐」
・対潜支援部隊(森下信衛少将指揮)
駆逐艦「磯風」「霞」「響」「霰」「不知火」
・潜水攻撃隊(小松輝久中将指揮)
特設潜水母艦「さんとす丸」「りおでじゃねいろ丸」潜水艦「伊10」「伊26」「伊27」
・航空部隊(有馬正文少将指揮)
軽空母「千歳」「千代田」(2隻合わせて試製烈風44機搭載)軽巡洋艦「 鬼怒」「阿武隈」駆逐艦「藤波」「大波」
これらの艦隊がロサンゼルス基地を取り囲み、対潜ソナーと爆雷で潜水艦狩りをしようというのだ。
これを察知したアメリカ軍は航空機で反撃しようとした。ところが、新型機は日本軍機動部隊攻撃に忙しく、旧式機しか発進できなかった。
F4Fワイルドキャット13機とF2Aバッファロー6機が日本軍に襲い掛かったが、既に上空護衛をしていた烈風にたちまち食いつかれあっという間に全滅した。
更にA20が7機やってきたが5機を撃墜。ダグラスTBDデヴァステイター12機がF4Fワイルドキャット6機に守られてやってきたがTBDは全滅、F4Fも5機が撃墜された。
「やはり凄いな……」
有馬少将は上空を見上げ感嘆の声をあげた。

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