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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 75

満州からの日本陸軍第九師団がダッチハーバーに上陸した。
「突撃ぃっ!」
たった3日間の戦いで日本は完全にアリューシャン列島の制空権、制海権を手にした。
大湊、豊原などの基地から次々に輸送船、油槽船、補給艦が出港。ダッチハーバーに武器弾薬、食料などの物資を運び込んだ。
2月11日、ハワイで天長節の記念式典が開かれた。
同じ日、重光葵、大島浩はベルリンに白鳥敏夫駐イタリア大使を呼び、ヒトラーらと共に戦争の遂行と必勝を誓い合った。
ダッチハーバーに続々と物資が運び込まれ、続々と艦隊も揃った。
ダッチハーバーを攻撃した艦隊のほかに田中頼三少将率いる駆逐艦部隊、南雲忠一中将率いる水雷戦隊がダッチハーバーに到着。また、「赤城」「加賀」「蒼龍」「翔鶴」が「ハワイ方面機動部隊」に合流「飛龍」「瑞鶴」を含め6隻の空母、4隻の高速戦艦「比叡」「霧島」「榛名」「金剛」、巡洋艦4隻、駆逐艦7隻の堂々たる航空戦隊が復活、艦隊名も「東太平洋艦隊」となった。
アメリカ艦隊は日本艦隊の捕捉撃滅を諦め、シアトルに集結した。
2月15日、日本艦隊は補給を終え命令を待つばかりとなった。
戦艦「大和」作戦室には各艦隊の司令官達が集まり会議が開かれた。出席者は
・山本五十六大将(「大和」以下水上戦隊指揮官)
・小澤治三郎中将(「信濃」以下新設機動部隊指揮官)
・山口多聞少将(東太平洋艦隊指揮官)
・田中頼三少将(駆逐艦部隊指揮官)
・南雲忠一中将(水雷戦隊指揮官)
等であった。
「次期作戦はいよいよアメリカ本土攻略である。」
山本大将は次の作戦を発表した。これに対し小澤中将は
「うむ、いよいよですな。」
と頷き、
「我が航空戦隊がアメリカに止めを指すときが来たということでしょう。」
と山口少将が続けた。
「水雷戦でもアメリカを圧倒できましょう。」
南雲中将も自信を見せた。田中少将は
「ではシアトル攻撃ですか?」
と尋ね、山本大将は
「作戦開始を2月25日とする。直ちに準備にかかるように。」
と言い作戦会議は終わった。

準備は滞り無く行われた。
航空戦隊は爆撃、雷撃訓練が行われ、ロケット爆弾「菫花」の整備、点検も終盤に入った。
空母「信濃」には「菫花」が400基搭載されていたが、未だ作戦に使われたことが無かった。つまりこれが「菫花」の初陣となるわけである。
「こいつがアメ公に泡を吹かせるときが楽しみですなぁ。」
と整備兵たちは言った。
また、南雲中将の水雷戦隊に搭載されている酸素魚雷も感度調整などが行われ、決戦の準備が整いつつあった。

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