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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 70

アメリカ軍はダッチハーバーとアラスカ半島のフォートランダルに大量の航空機を配備していた。日本軍は最新鋭の長距離偵察機「彩雲」の偵察でこれを知り、ハワイ方面機動部隊とアッツ島を攻略した部隊が水上戦隊の後を追うという作戦を採った。
1月29日、ダッチハーバー攻略作戦が開始された。
グオォォ
「あっ右30度敵機!」
戦艦「尾張」の見張り員が叫んだ。
「対空戦闘配置!」
「主砲、右砲戦。発射用意!」
ビビ〜ッ
対空機銃員に主砲の爆風警戒のブザーが鳴らされた。
「距離3万、主砲発射!」
ドドドドォ〜ン
「尾張」の主砲が一斉に火を吹いた。
ドドドドォ〜ン
続いて「淡路」の主砲も火を吹いた。
バババババァ〜
未だ時限信管を用いている日本軍の対空砲火であったが、三式弾の爆発半径は300メートルである。
「おぉ凄い!」
次々にアメリカ軍機は直撃を受け、或は破片を受け墜落していった。熱に焼かれたり、周囲の酸素を失い窒息したりした飛行士もいた。
「対空砲、および機銃射撃用意!」
アメリカ軍機は150機を超えたため、この弾幕を抜けた航空機が比較的多数あった。
「射撃始め!」
ドッガガガガガガガガガ
2隻合わせて198門の対空砲と462門の機銃が轟々と火を噴いた。
ズドドドドドドドド
「紅鶴」と「宝鶴」の合計140門の対空砲と320門の機銃も火を噴いた。
「落ちろ、落ちろ!アメ公。」
米軍機はバタバタと落とされ、数機がようやく発射した魚雷も日本軍の艦船は軽く回避した。
「素晴らしい対空武装だ。」
「まさにハリネズミの如く対空砲火がされていますな。」
各艦の将兵は驚いたように言った。

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