PiPi's World 投稿小説

太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

の最初へ
 69
 71
の最後へ

太平洋の荒波 71

「敵機、最来襲!」
「対空戦闘配置!」
「主砲、右砲戦発射用意!」
ビビ〜ッ
対空機銃員に主砲の爆風警戒のブザーが鳴らされた。
「各砲塔発射!」
ドドドドォ〜ン
ドドドドォ〜ン
ババババアァ〜ン
VT信管ではないが2隻の大型戦艦の主砲による対空砲火は凄まじく瞬く間にアメリカ軍機はその数を減らした。
ズドド〜ン
初めて後方の副砲が火を噴いた。初陣では前の副砲(3連装×2基)しか撃っていなかったのだ。

主砲と副砲の弾幕が収まると上空護衛の暴風がアメリカ軍機を次々に撃墜していった。
ダダダダダダッ
ドォーン
「やった。」
「良いぞ。」
「全部叩き落せ。」
艦上では乗組員達が歓声を挙げていた。
日本軍の船は全く無傷のままであった。アメリカ軍の攻撃は二度にわたって失敗に終わったのだ。
アメリカ軍はこの被害に驚きやっとかき集めた空母と戦艦をすべてこの日本軍艦隊に差し向けた。
「ジャップに一泡吹かせるのだ!」
久々に堂々たる機動部隊を率いるハルゼーはそう言って部下を鼓舞した。
日本軍艦隊のうち先頭を進んでいた水上部隊は幸運にもアメリカ軍の攻撃をまったく受けずにいたが、ダッチハーバーを攻撃圏内に捉えたと同時に空襲を受けた。
「敵機来襲、対空戦闘配置!」
水上戦隊を襲ったアメリカ軍機はダッチハーバーから飛来したものだったが、その数はたった30機であった。それまで「尾張」や「淡路」を含む艦隊の対空砲火で大損害を受けていたためである。
「突入!」
アメリカ軍機は戦艦「武蔵」に狙いを定め突入してきた。
ドガガガガガガガガ
ズドドドドドドドド
「武蔵」の対空砲と対空機銃が一斉に火を噴いた。
ドーン ドドーン
周囲を囲む駆逐艦の主砲も対空射撃を開始した。
グワンッ
ボウンッ
アメリカ軍機は次々に撃墜されたが、
ドガーン
「武蔵」の後部甲板に直撃弾を1発与えた。
「後部甲板に直撃あり。被害は軽微、艦の安全に問題なし!」
「よし。」
アメリカ軍機は「武蔵」に直撃弾を与えたのみでほぼ壊滅した。
その直後である。
「『武蔵』2号機ヨリ入電。敵艦発見、重巡3、駆逐艦5!」
水偵が敵艦隊を発見したのだ。

SNSでこの小説を紹介

戦争の他のリレー小説

こちらから小説を探す