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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 63

1944年10月4日、日本軍は「坤作戦」を開始した。ハワイを攻略した勢いで南太平洋やオーストラリア方面の連合軍を撃滅しようというものであった。また、日本軍機動部隊は修理や燃料補給のため、また航空隊の再編成のためトラックに引き返した。ここで時間的なインターバルができることを防ぐ目的もあった。
ラバウル航空隊はガダルカナル基地を空襲した。この攻撃でアメリカ軍戦闘機8機を撃墜し、地上に駐機していた航空機77機を撃破した。
ラバウルの航空隊は1943年初頭から完全に陸海軍共同のものとなっていた。そしてそれから1年半以上たった今、大陸から多くの航空隊をここに移動させ一挙に南太平洋の連合軍を撃滅できるだけの兵力を有していた。またこの背景にはソ連の脅威がなくなったことも大きい。
またポートモレスビーには定期的に零式輸送機がラバウルから飛び立ち、食料や弾薬を補給していた。また蘭印から出港した油槽船が定期的に航空燃料の補充も行っていた。
史実では米軍潜水艦が日本軍の輸送船や油槽船、貨物船等を次々に撃沈し、シーレーンが分断された事はあまりにも有名だが、アメリカ海軍が壊滅した今、アメリカ軍潜水艦はすべてジョンストン基地経由でサンディエゴに集められた。艦隊決戦を行えるように改装し、日本軍との決戦に備えたのだ。
尚、第三次ハワイ沖海戦で生き残ったアメリカ軍の艦船もサンディエゴやロサンゼルスに戻り、修理、改装を行った。
10月11日、ラエ基地を飛び立った一式陸攻80機とポートモレスビーを飛び立った零戦30機、零式水偵10機がタウンズヴィルを攻撃。
「あっ敵機。」
零戦は迎撃にあがってきたオーストラリア軍の戦闘機を簡単に撃墜した。このため一式陸攻は心置きなくここの艦船を攻撃できた。この攻撃でコルベット1隻、武装商船2隻、輸送船1隻、貨物船2隻を撃沈、戦闘機23機を撃墜した。日本軍は零戦2機が被弾(帰還に成功、戦死者なし。)したのみであった。
10月19日、ポートモレスビー沖に駆逐艦4隻、その他11隻を発見した。ラバウルの零戦14機と九六式陸攻33機が出撃し、駆逐艦2隻を撃沈した。更にラエの零戦20機と九七艦攻20機、一式陸攻30機が駆逐艦1隻、魚雷艇2隻、貨物船3隻を撃沈した。
ポートモレスビー航空隊は翌20日未明、零戦11機、九九艦爆34機、零式水偵4機を出撃させ、大型商船2隻、コルベット3隻、補給艦1隻を撃沈した。

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