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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 54

水上戦隊は連日水偵を飛ばしたがなかなかアメリカ艦隊を発見できなかった。
8月24日、
「敵艦隊発見。駆逐艦4、輸送船4、其ノ他アリ。」
この報告を受けて山本大将は南雲中将にこれを攻撃するよう打電した。
南雲中将はもともと水雷屋である。軽巡「神通」で無電を受け取り大きく頷くとアメリカ艦隊へ向かって進路をとった。
「敵艦隊発見。協力ヲ求ム。」
南雲中将は田中少将の部隊に支援を求め、協同でアメリカ艦隊を撃滅することとした。
「敵艦見ユ。」
先にアメリカ艦隊を目視で発見したのは田中少将の部隊であった。
「目標、敵2番艦。魚雷発射。」
ドドーン ズドーン
水柱が2本立った。駆逐艦「涼風」が発射した酸素魚雷が命中したのだ。
「魚雷命中!」
「主砲!右砲戦!」
ドンッ ドドンッ
砲撃戦も開始された。
ドゴォーン
アメリカ軍輸送船が黒煙を吹き上げた。駆逐艦「陽炎」が撃った砲弾が命中したのだ。
そこへ南雲中将の部隊が到着した。南雲中将は「神通」から魚雷を発射した。
ドドーン グワァーン
駆逐艦に2本の魚雷が命中しこれを撃沈した。これに駆逐艦「三日月」も続いた。
「魚雷発射。」
ズズーン
輸送船に1本が命中した。
「砲撃開始!」
南雲中将指揮下の艦隊も砲撃を始めた。

結局1時間ほどでこの戦いは決着がつき、アメリカ軍艦隊は全滅、日本軍の損害は田中少将指揮下の駆逐艦「親潮」が至近弾2発を受けただけであった。南雲中将は山本大将宛に
「敵艦隊全滅ス。」
と送った。
まず水雷戦で日本軍が圧勝した。

アメリカ海軍は戦艦「アイオワ」「マサチューセッツ」、空母「エセックス」「フランクリン」「ベニントン」を中心とした機動部隊が日本軍を迎撃のために出撃。さらに何と各戦線から集めた護衛空母や戦艦もハワイに急行させた。
日本軍機動部隊はアメリカ軍艦隊の出現を想定してこれを攻撃する用意があった。しかし、悪天候のため日本軍の偵察機にアメリカ軍は発見されず、アメリカ軍機動部隊は日本軍艦隊をその攻撃圏内にとらえた。

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