PiPi's World 投稿小説

太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

の最初へ
 46
 48
の最後へ

太平洋の荒波 48

6月13日、アメリカ軍の偵察機が突如ハワイ北方沖に忽然と現れた日本軍艦隊を発見した。
支援艦隊である空母「大鳳」、軽空母「龍驤」、軽巡「阿武隈」、駆逐艦4隻の部隊であった。
ハワイ基地に残っている全ての航空機が日本軍支援艦隊攻撃に向かった。
「敵機来襲。」
「対空戦闘!」
空母「大鳳」艦内は慌しくなっていった。
「アメ公め、くたばれ!」
「大鳳」と「龍驤」の防空護衛をしている戦闘機はアメリカ軍機を次々に撃墜した。
ドガガガガガガガッ
スガーン
「龍驤」の積んでいる航空機は4機の偵察機を除き全て戦闘機であった。そのため対空砲火が火を吹く前にアメリカ軍機は日本軍戦闘機の餌食となっていった。
また、飛行士達は東南アジアでの戦闘経験があるものばかりだった。
「ここのジャップは手強いな。」
アメリカ軍機は全く日本軍の損害を与えられないまま引き返して行った。
陸上基地での経験は豊富な日本軍戦闘機乗りたちが空母艦載機として力を発揮することは簡単ではない。しかし、この場合は特別であった。空母への発艦、着艦訓練の必要はあったが、洋上飛行の訓練の必要はなかったためである。なぜなら任務が艦隊の上空を護ることに限定されていたので敵が逃げてしまえば任務は完遂なのである。。
ハワイの基地航空隊が再び襲ってきたが結果は同じで、日本軍艦隊は全くの無傷であった。そればかりか、アメリカ軍はハワイの航空戦力を大きく消耗してしまったのだった。
6月13日の薄暮、「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」江草隆繁少佐(艦爆搭乗)率いる暴風3機、零戦10機、九九艦爆39機がジョンストン島を攻撃。
「ト・ツ・レ(突撃体勢作れ)」
「トトトトトトトト・・・・・・(全軍突撃せよ)」
ヒュウゥゥ
ドドーン
グワァン
ドドドドド
九九艦爆は次々に陸上砲台を攻撃、破壊した。
ズガガガガガガガガガガ・・・・・・・
上空で敵機を待ち構えていた暴風と零戦は上がってきた13機の戦闘機をあっという間に撃墜し、手が空いたので飛行場の機銃掃射を行った。
ジョンストン島が攻撃されたことを聞いたニミッツ大将は慌てて機動部隊に南下を命じた。
しかし、この命令は既に遅く、日本軍機動部隊を捕捉することはできなかった。
これに先立つ6月12日、インド洋で活躍した船団襲撃部隊はウェーク島に向かいシンガポールから出港した。
同日、戦艦「伊勢」「日向」はミッドウェーに入港。これら戦艦はアメリカ軍と対峙するときを待っていた。

SNSでこの小説を紹介

戦争の他のリレー小説

こちらから小説を探す