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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 46

しかし、命中弾の割りに被害は少なかった。それもその筈で、装甲の薄い護衛空母に対しては日本軍の徹甲弾が艦内で爆発しないのだ。
しかし、軽巡洋艦「川内」「由良」の発射した酸素魚雷の威力は強大であった。護衛空母「カリニン・ベイ」に魚雷5発を命中させ大破し、駆逐艦「ウォーク」を轟沈した。
重巡「愛宕」と「最上」は護衛空母「ファンショウ・ベイ」を砲撃し撃沈する。しかし、艦載機の反撃により、駆逐艦「浜波」を失った。
アメリカ軍重巡「インディアナポリス」は日本軍重巡「利根」に命中弾を与え、駆逐艦「初霜」にも命中弾を与えた。「初霜」戦線を離脱することとなった。
駆逐艦「雪風」と「磯風」はアメリカ軍護衛駆逐艦「サミュエル・ロバーツ」を砲撃し撃沈した。
山本大将はここでこの護衛空母群を撃滅してしまおうと判断した。一方アメリカ軍護衛空母は最大速力で逃げ出した。
これに対し軽空母「瑞鳳」「鳳翔」から20機の九七艦攻が発進。「キトカン・ベイ」に6発の魚雷を命中させこれを撃沈した。
「長門」は射程距離内にある駆逐艦「ホエール」に激しい砲撃をかけこれを轟沈した。
戦艦「大和」「武蔵」は目標を護衛空母「セント・ロー」に定めた。
ドゴォドゴォーン
ドドン!ドドン!
「大和」の放った砲弾の命中第一弾は「セント・ロー」の艦隊を貫通した。しかし、「武蔵」の放った一発が「セント・ロー」の喫水線下を爆破。そこから海水がどっと浸入し、「セント・ロー」を大きく傾斜させた。
「セント・ロー」の喫水線下を爆破したのには訳がある。日本軍戦艦「大和」「武蔵」の対艦用砲弾「九一式徹甲弾」は水面に命中した際、そのまま爆発するのではなく、水中を直進するのだ。そのため、手前に落ちた至近弾はある意味命中弾より怖いのだ。
その後「セント・ロー」は速度が低下し、次々に命中弾を受け大爆発、海底に眠った。
「最上」「鈴谷」は護衛空母「ガンビア・ベイ」に命中弾を次々に与えた。そこへ駆逐艦「長波」が魚雷を命中させ、これを撃沈した。

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