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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 5

「江草にばかり戦果を挙げさせてたまるか。」
重巡2隻に続いて空母まで撃沈した急降下爆撃隊の戦果を見て雷撃隊の村田重治少佐も闘志を燃やした。
「目標は空母2番艦!」
いまだ無傷の空母「インドミタブル」に殺到し魚雷12本を命中させた。どっと海水が流入した「インドミタブル」はあっという間に転覆し、インド洋に沈んでいった。さらに空母を外れた魚雷が駆逐艦「テネドス」にも命中しこれを撃沈した。
その頃日本軍機動部隊にイギリスのツリンコマリー基地から飛び立ったイギリス軍航空機が大挙飛来して来ていた。この航空隊は迎撃用に上げていた零戦の敵ではなかったが、滅法に撃った機銃弾が空母「赤城」の艦橋を襲い、南雲中将を負傷させた。
「天晴れな英軍魂なり……」
右腕から鮮血を流し、痛みを堪えながら南雲中将は呟いた。
ボウーン
その戦闘機も零戦の餌食となった。
イギリス軍の航空攻撃隊が全滅したところにイギリス東洋艦隊を攻撃した第一次攻撃隊が帰ってきた。
「発進!」
第一次攻撃隊収容の前に第二攻撃隊を発進させた。零戦30機、九七艦攻66機である。攻撃隊長は戦闘機に乗った板谷茂少佐である。

「敵艦隊発見、突入!」
板谷少佐は自ら7,7ミリ機銃を撃ちながら戦艦「ラミリーズ」の上を飛び去った。これに続いて九七艦攻が次々に戦艦に魚雷を発射した。「レゾリューション」「ラミリーズ」は瞬く間に大きく傾斜し、軽巡洋艦「エメラルド」は船体が真っ二つに折れて轟沈した。戦艦「ウォースパイト」も魚雷2発を受け浸水した。
『戦艦2隻大破、撃沈の可能性大なり。戦艦1隻撃破、軽巡1轟沈』
と板谷少佐は打電した。
「レゾリューション」「ラミリーズ」はその後インド洋深くに眠った。
イギリス東洋艦隊はこれ以上戦えないと判断し撤退していった。こうして「コロンボ基地航空攻撃作戦」は大勝利に終わった。そのため日本軍はコロンボに上陸作戦を行うこととした。
ズドドドドドーン
「比叡」「霧島」「榛名」「金剛」の主砲が一斉に火を噴いた。コロンボの基地施設は壊滅状態に陥った。さらに零式弾を以ってコロンボ航空基地を砲撃し基地航空隊を全滅させた。
重巡3隻、駆逐艦3隻が砲撃を続ける中、日本軍上陸隊が海岸に取り付いた。
ドガガガガガガ
隠れていたイギリス軍の重機関銃が火を噴いた。しかし日本軍の兵士がそこに爆雷ごと突撃し自爆。この機関銃は沈黙した。
激戦は三日間続いたが、イギリス軍はあっという間に西海岸に追い詰められ、インドのマドラスに退却した。

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