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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 37

この頃から、日本の工場や、基地設営部隊などの工事部隊や国内・満州などの工事現場の労働能率や生産品の品質が上昇しだした。
というのも、シベリア鉄道の復旧工事が完成し、欧州と日本を陸路連絡することが可能となったのだ。
フランスやドイツのメーカーが製作した工作機械や土木重機、イタリアのOTO社に発注した新型砲などが届き始めた。日本からは東南アジアのゴムなど各種資源が売却された。ソ連屈伏は枢軸国陣営の背後の負担を激減させ、そればかりか継戦能力を高めたのだ。

さて、この頃キ66暴風はその多くを中国大陸の基地へ送り込んでいた。アメリカ海軍はまだ再編途上であり、それよりは昆明、成都などの基地にあるアメリカ軍陸上機の方が大きな脅威だったからである。
まず武漢に150機のキ66が送り込まれた。
11月9日、B25が20機武漢に現れた。キ66はこれを迎撃、あっという間に全滅させた。さらにB25が7機飛来したがこれもあっという間に全滅させた。
「流石だな。これはもはや無敵だ・・・・・・」
地上でこれを見ていた兵は感嘆の声をあげた。
この時日本軍が受けた被害はレーダーサイトが使用不能になったのみで、飛行場や対空砲台は全くの無傷であった。
しかし、11月12日、B29の大編隊が飛来した。
「敵機来襲!」
しかしこの報告は遅かった。既にB29の空襲が開始されていたのだ。
キ66は迎撃に上がる暇もなく次々に破壊され、更に対空砲が火を吹き始めた頃にはB29は高々度からの爆撃に転換していた。
「負けた・・・・・・」
キ66はあっという間に132機が失われた。
「なんということだ・・・・・・」
「レーダーサイトさえ壊されていなければ・・・・・・」
「せめてもの救いはキ66が増産に入っていたことだな。」
武漢の司令室は重苦しい空気に包まれた。
しかし、
「本土より電報です。明朝200機のキ66がこちらに増派される模様です。」
司令室はほんの少しだけ救われた気持ちとなった。しかしこれで本土のキ66は殆ど武漢に送り込んだも同然であった。
11月13日、アメリカ軍は再び武漢基地を空襲した。
B29が160機、B25が170機であった。
この時キ66は何とか迎撃したが、89機を失った。をれでもB29を34機、B25を48機それぞれ撃墜した。
地上の被害も大きく、滑走路の内1本が使用不能となり、キ66が34機、九七式重爆2機、九九式襲撃機4機が破壊された。

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