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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 35

10月2日、特設空母「隼鷹」「飛鷹」から発進した零戦8機、暴風19機がアメリカ軍輸送船団を攻撃。
「目標発見。」
「ト・ツ・レ(突撃体勢作れ)」
「トトトトトト・・・・・・・(全軍突撃せよ)」
急降下爆撃により駆逐艦2隻、輸送船4隻を撃沈した。
「戦果次ノ通リ
・敵駆逐艦1隻撃沈
・敵駆逐艦1隻轟沈
・敵輸送船ラシキモノ4隻撃沈
以上」
長井満大佐は「隼鷹」の艦橋でこの報を聞き、腕組みしたまま微笑をもらした。
潜水艦部隊は10月4日、イギリス軍のコルベットに護られた輸送船団を発見。伊171、伊174、伊175が魚雷攻撃をかけた。しかし、直後に反撃を受け、戦果を確認しないまま逃走した。
零式小型水偵が上空から戦果確認をした結果コルベット1隻撃沈、貨物船、油槽船、武装商船各1隻撃沈であった。この頃になると独航船はほぼ皆無となった。そのためこのような魚雷戦が増えていった。しかし、その分以上に連合軍の被害も増大していった。
連合軍司令部は被害の増大を受け輸送機の導入を開始した。導入当初はそれなりの成果を挙げたが、船団襲撃部隊の特設空母「隼鷹」「飛鷹」が航空輸送を阻害、この輸送作戦も困難となっていった。
しかし、流石は海運大国イギリスと経済大国アメリカである。日本軍が挙げた戦果以上の船舶を送り込み何とかインド洋のシーレーンを守ろうと努力していた。
10月9日、日本軍戦艦「山城」がアメリカ軍の輸送船団を発見。「扶桑」と共に砲撃を開始した。
「戦闘、右砲戦。右60度。」
「装填完了。」
「発射用意!」
「発射用意良シ!」
「撃チ方初メ!!」
ズドドドドーン
ドドドドォーン
戦艦の巨砲が火を吹いた。
「弾着!」
第一斉射で油槽船1隻、輸送船2隻が撃沈。第二斉射が始まった。
ドドドドーン
その後2時間余りの戦いで油槽船4隻、輸送船7隻、武装商船2隻、コルベット4隻、駆逐艦2隻、タンカー1隻を撃沈した。発見されたアメリカ軍輸送船団は全滅したのだ。
しかしこの戦闘の最中、イギリス軍輸送船団の輸送船1隻と輸送船3隻、タンカー1隻が日本軍の目をすり抜け補給を完了した。
このように未だ日本軍の通商破壊は完全とは言い難い状況だったのである。

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