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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 28

エスピリツサント島の滑走路に穴を開けられたため、米軍機はサンタクルーズ基地に着陸した。これを事前に予測していた日本軍は「蒼龍」「瑞鶴」「翔鶴」から高橋赫一少佐(艦爆搭乗)率いる十三試艦戦3機、零戦18機九九艦爆19機、九七艦攻22機を出撃させ、サンタクルーズ基地攻撃を命じた。
「ト・ツ・レ(突撃体勢作れ)」
高橋少佐は打電した。そして
「トトトトトトト・・・・・・(全軍突撃せよ)」
ドガァーン!!
グヮァーン!!
十三試艦戦の投下した800キロ爆弾が地上の飛行機を吹き飛ばし、滑走路を引き裂いた。
「続け!」
ダダダダダダダ
両翼の7.7ミリ機銃を撃ち込みながら、高橋少佐も急降下に入った。
ヒュウゥ〜ッ
ドガーン
飛行機が密集しているところに250キロ爆弾を投下した。後続の艦爆も飛行機や格納庫、ガソリンタンクなどを攻撃した。
ドンドンドン
対空砲火がこの頃になって火を吹き始めた。
対空砲陣地に向け九七艦攻が800キロ爆弾を叩きつけた。
ドドーン
これに続いて零戦も7.7ミリ機銃を対空砲陣地に撃ち込み、十三試艦戦が20ミリ機銃を打ち込む。
「くらえっ」
市原辰雄大尉の「翔鶴」艦攻隊7機は港湾施設を破壊した。
上空で目を光らせていた飯田房太大尉の「蒼龍」零戦隊8機は迎撃戦闘機が全く上がって来なかったため、まだ無傷の敵機を地上撃破すべく機銃掃射に入った。
ドガガガガガガ
機銃弾はアメリカ軍機に次々に吸い込まれ、黒煙があがっていった。
「全機之拠リ帰還ス。」
日本軍の被害は零戦1機が被弾、九七艦攻1機自爆、1機被弾という軽微なものであった。
「蒼龍」艦長の柳本柳作大佐や「瑞鶴」艦長の長野為輝大佐、「翔鶴」艦長の有馬正文大佐は帰還した飛行士を労った。
日本軍機動部隊は東進を続けフィジー、サモアの攻撃を目指した。途中、補給艦11隻と潜水母艦3隻によって補給を受け、ついにフィジーを攻撃圏内に捉えた。
「お早う、源田君。」
「あ、小沢中将、お早うございます。」
「偵察機の発進かね?」
「はい。二式艦偵8機と偵察用に九七艦攻12機、そして操縦慣れも兼ね、十三試艦戦2機を飛ばします。」
「そうか。」
二人は飛び立っていく航空隊を見送った。

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