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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 27

この攻撃隊は途中会敵することなくエスピリツサント島上空に到達した。
「ト・ツ・レ(突撃体勢作れ)」
編隊は形を変えた。そして
「トトトトトトト・・・・・・(全軍突撃せよ)」
ドドドォォ〜ン!!
ドグワァァ〜ン!!
エスピリツサント島の滑走路に大きな火柱が二本立った。十三試艦戦の投下した800キロ爆弾が炸裂したのだ。
彼らの攻撃は情け容赦などない。
十三試艦戦の急降下爆撃で口火を切った彼らの攻撃は、まず九九艦爆が次々に対空砲陣地を黙らせてゆく。
必死に反撃する米軍対空砲部隊には、九九艦爆がまるで垂直に降ってくるようにさえ見えた。
九九艦爆の中にも被弾する機体がある。
ある1機は炎上しながら対空砲陣地へと自爆した。
残る1機の十三試艦戦は250キロ爆弾4発を抱えて格納庫らしきものを爆撃して、さらに20ミリ機関砲で対空砲陣地を制圧する。その間に九七式艦攻は密集編隊を組んで滑走路や掩蔽壕に800キロ爆弾を投下してゆく。
滑走路にさらに多くの穴があき、掩蔽壕も多くが崩壊した。その頃零戦隊はP40ウォーホークなどの米軍戦闘機隊と激しくやり合っていた。米軍戦闘機は乱戦から抜け出して爆撃部隊を狙おうとするが、腕前に勝る零戦隊からはなかなか逃れられない。
十三試艦戦のみならず、九九艦爆までが、地上を機銃掃射していく。ある豪胆な艦爆乗りなどは爆撃後、機を引き起こして滑走路上空を駆け抜けざま後席の7.7ミリ機銃で対空砲陣地を掃射した。
ダダダダダダダダ
九九艦爆後席の7.7ミリ機銃から発射された機銃弾が対空砲陣地に吸い込まれ、各所から黒煙が上がった。そして次第に対空砲火は弱まっていった。
ドガガガガガガガ
零戦も次々にアメリカ軍戦闘機を撃墜し、更に十三試艦戦も強力な火力を活かしアメリカ軍戦闘機を粉砕していった。
「すごい・・・・コイツが量産されれば米軍がどれほど戦闘機や空母を量産してきても怖くないぜ!」
十三試艦戦3機を率いてきた村雨中尉は急降下爆撃で250キロ爆弾を4発とも格納庫に命中させ、意気上がっていた。
周囲を見回すと、艦攻隊や艦爆隊は爆撃や機銃掃射を終えて三々五々、帰投しだしている。零戦隊もあらかたの敵機を撃墜して、爆撃部隊の離脱を助けていた。
「よーし帰るぞ!あとは何としても戦闘データと機体を持って帰るんだ!」
艦爆出身の村雨中尉は十三試艦戦3機を率いて帰途に就いた。

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