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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 26

「飛龍」艦長の加來止男大佐は山口多聞少将の命によって攻撃隊を編成した。零戦12機、九七艦攻19機である。九九艦爆4機であった。
「発進。」
小林道雄大尉(艦爆搭乗)に率いられた25機は一路敵艦隊を目指した。
戦艦「ニューメキシコ」を中心とする艦隊を見つけた攻撃隊は
「先頭のでかいやつを集中攻撃するぞ。」
「了解。」
「トトトトトトト……(全軍突撃せよ)」
ヒュウウウウ
ドガーン
小林大尉の投下した爆弾は後部甲板を直撃。さらに
ザブン
ドドーン ドカーン
右舷に破口を開けられた「ニューメキシコ」は見る見る傾き始めた。さらに
ドドーン
駆逐艦にも魚雷が命中しこれを撃沈した。
「戦果次ノ通リ
・敵戦艦大破、傾斜
・敵駆逐艦1隻轟沈
以上」
「瑞鶴」「翔鶴」から零戦20機、九七艦攻33機、九九艦爆22機が発進。敵艦隊に止めを刺しにかかった。攻撃隊長は島崎重和少佐(艦攻搭乗)だった。
「敵艦隊発見。」
「突入!」
傾斜して動きが鈍くなっている戦艦「ニューメキシコ」にはなんと11本もの魚雷が命中し、見る見る傾斜が増し撃沈。駆逐艦2隻も急降下爆撃によって轟沈した。
島崎少佐は「翔鶴」宛に
「戦果次ノ通リ
敵戦艦1撃沈
敵大型駆逐艦2轟沈
以上」
と打電した。
日本軍はその後空母から何度となく艦偵を出し、また戦艦や重巡等から多くの水偵、水観を発進させるもアメリカ軍機動部隊や空母はおろか艦隊さえ発見できなかった。
「敵航空機はどこから来ているのだ?」
考え込む小澤中将に進言したのは淵田中佐であった。
「エスピリツサント島では?」
エスピリツサント島とはフィージーとガダルカナルを結んだ中心付近から少し南下した入りにある島で、サンタクルーズ島と共に南太平洋の基地としてある意味重要視されていた。
「エスピリツサント島か……良し。攻撃隊を送るぞ。」
小澤中将は即決し攻撃隊の編成を命令した。
「十三試艦戦を実践訓練もかねて攻撃隊に同行させよ。」
「了解。」
「尚、攻撃隊は戦爆攻混成部隊とする。」
この命令によって十三試艦戦3機、零戦47機、九九艦爆38機、九七艦攻42機の合計130機が第一次攻撃隊として発進。攻撃隊長は江草少佐であった。

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