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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 21

12月12日日本軍戦艦「山城」「扶桑」はウラジオストック砲撃を開始した。
「戦闘!左砲戦。目標ソ連軍基地砲台!」
「装填良シ。」
「発射用意!」
「発射用意良シ!」
「撃チ方初メ!!」
スドドドドドドォォ〜ン
ドゴンドゴン!
ドドンッドドンッ
一方ソ連軍基地では
「洋上に無数の閃光!」
「艦砲か?」
ヒュルルルルルル
キュルルルルルル
ドドドドドォ〜ン
ドゥン、ズズーン
ヒュウウウウウ
ドズン ドズゥン
「撃て、敵艦に反撃だ。」
「味方の砲台は壊滅状態です。」
ソ連軍基地は粉砕され、ウラジオストックは基地能力を失った。

アジアでの連戦連敗に驚いたスターリンはジューコフ将軍の部隊をシベリア鉄道で極東に輸送することを決定した。ドイツ軍の進撃速度が増すことを承知しての苦渋の決断であった。しかし日本軍はこれを事前に察知。重爆撃機「呑龍」によってシベリア鉄道の重要地点を空襲することが決定された。
12月29日、悪天候の中日本軍はシベリア鉄道破壊作戦を敢行した。
「爆弾投下!」
ヒュルヒュルヒュル
ドカンドカン!
ドグヮンッ!
ワーク河鉄橋に続いて各所が破壊されたシベリア鉄道はその存在価値を失った。
年が明けて1月1日、日本軍は「赤城」「加賀」「蒼龍」の改装完了記念行事が行われた。横須賀に永野修身大将が出向き、3空母の視察を行った。また、嶋田繁太郎海軍大臣もこの式典に現れ、機動部隊の航空隊員を激励した。
また、ソ連攻撃を終え大湊に帰還した「山城」「扶桑」は地元住民に大きな歓迎を受けた。
さて、この頃日本軍は執拗にラバウルやニューギニア各地からオーストラリアを攻撃していた。これに対しアメリカ軍はラバウル基地を攻撃破壊し、日本軍の作戦を頓挫させようとしていた。
日本海軍はこれを十分警戒していたが、防空戦闘機としてラバウルに配備されていたのは零戦や隼で、戦略爆撃機に対しては心もとなかった。
日本軍は再びハワイを攻撃しアメリカ軍の空母部隊を再度撃滅する必要があると考えた。
この頃欧州で大きな動きがあることを日本人は知る由もなかった。

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