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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 20


海軍の上層部を拝み倒し、何とか陸軍に頭を下げ、天皇にまで話を通し陸軍機の応援を頼んだ。その甲斐あって各地から九七式重爆撃機、九七式戦闘機、九九式襲撃機など合計169機がラバウル基地に到着した。
「陸軍航空隊、只今より、ガダルカナルの敵基地を攻撃いたします。」
海軍の零式水観4機に引き連れられた陸軍航空隊九七式重爆32機が、零戦19機に護られて出撃。
「突撃!」
水平爆撃で工場や発電所を破壊した。
さらに九九式双発軽爆30機、一式戦闘機「隼」49機も進出。陸軍機のみのガダルカナル攻撃も可能となった。
一方海軍は12月8日、開戦一周年記念攻撃として「大和」「長門」「陸奥」が「春日丸」「瑞鳳」「鳳翔」に守られてポートダーウィンを砲撃。「愛宕」「高雄」「摩耶」もこれに加わり、この基地を使用不能とした。
この大勝利に浮かれているころ外務省に予想だにしない文章が届いた。
ソ連の対日宣戦である。
「ソヴィエト 帝國ニ宣戦ヲ布告ス。」
翌日の各紙面はこのニュース一色であった。
「クラースヌィイ・クルィーム」と「クラースヌィイ・カフカース」の2隻の巡洋艦が密かにウラジオストックに入っていたが、日本海軍はこれを発見。山口多門少将の率いる機動部隊が出撃。空母「飛龍」「瑞鶴」の航空隊、零戦15機、九九艦爆39機、九七艦攻10機が出撃した。
攻撃隊長は友永大尉であった。
「敵艦2隻発見。突撃ス」
あっという間に2隻を撃沈し、日本軍の被害はなかった。
さらに、横須賀から「山城」「扶桑」が出撃し、ウラジオストックを攻撃することとなった。
ソ連軍は樺太の豊原、千島列島の占守島を攻撃。日本軍を一気に蹴散らそうとしたが、豊原を攻撃した部隊は3日で退却を余儀なくされ、占守島では水際で兵の半数を失った。
日本軍は占守島からロパトカ岬を砲撃し、ソ連軍の千島進攻を断念させた。
満州ではハバロフスクを日本軍の百式重爆「呑龍」が先制攻撃した。更に満ソ国境ではソ連軍との激しい戦いがあったがいずれも日本軍がソ連軍を押し返した。
虎頭(ことう)要塞の41センチ榴弾砲はシベリア鉄道のワーク河鉄橋を完全に破壊。ソ連軍の作戦行動を大きく制限した。
その頃海軍は「伊勢」「日向」のウラジオストック攻撃を計画したが、これは不必要とされた。ソ連軍に対抗する力は十分にある上、独ソ戦でシベリアに兵力は大きく制限されている。更にウラジオストック基地を攻撃破壊するには「山城」「扶桑」とその支援艦隊だけの力で十分であると考えたのだ。

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