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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 164

避退していくロケット砲部隊を、装甲部隊の将兵は「あとは任せろ」との思いを込めて見送り、入れ替わりに沿岸要塞へと近づく。
すれ違う装甲師団を見るロケット砲兵達も、「後は頼む」と声をかけたり手を振る者もいた。
こうした場合彼らも一度下がって態勢を立て直し、補充の弾薬を受け取って支援射撃に戻る予定になっていた。
敵の14インチ砲による艦砲射撃がロケット砲部隊の一部を後退させて一区切りつき、ロケット砲部隊の砲撃が止んだ事を知らされたニューメキシコ型戦艦の部隊は、海岸の防壁の穴を割り広げようと、強硬に砲撃し続けていた。
爆破口近くのトーチカや砲台が数か所、14インチ砲弾を複数受けて崩れる物が出始める。
とはいえ、そろそろドイツ装甲師団による反撃が来るという事で、クリーブランド型軽巡洋艦4隻が支援砲撃の加勢をすべく現れたところであった。
装甲師団の師団長達は、隷下の戦車部隊にすぐさま迎撃を命じた。

「マイスナー!あれが敵の爆破口だ!艦砲射撃で強引に押し広げて、敵が突入してきている!新型重戦車もいるようだ!敵戦車を駆逐せよ!」
「はっ!我が戦闘団は敵の突入部隊を迎撃します!マックス各車は、シャーマンを攻撃せよ!モーリッツ各車は、敵重戦車を攻撃!パンツァー・フォー!!」

マイスナー戦闘団を率いるクルト・マイスナー大佐は、下命されるや打てば響くような調子で配下部隊に指示を出していく。
装甲教導師団の戦車連隊を中心に独立重戦車大隊なども集成して編成された、マイスナー戦闘団が連合軍に立ち向かう。
X号戦車パンターがシャーマンに、独立重戦車大隊のY号戦車ケーニヒスティーガーが、新型の米軍重戦車に砲口を向ける。
射点に着くと停止し、すぐに照準を定める。大西洋の壁を守るべくよく訓練された彼らは、素早く照準を終え、次々に発砲炎を閃かせる。
まずパンターが前進し、要塞の生き残っていた対戦車火器もパンターを援護する。
パンターに対し、アメリカ兵も生き残った各種戦車やバズーカで必死に撃ち返す。
タングステン徹甲弾で撃たれたパンターが炎上擱座し、パンターを撃破したM4へはアメリカ兵が喜ぶ間も与えずに、別のパンターが報復の砲火を叩き込んで爆発させた。
重量過大で足回りの故障が多いケーニヒスティーガーも、じわじわと進撃する。

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