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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 152

H42級戦艦「フリードリヒ・デア・グローセ」を旗艦とし、「ティルピッツ」「シャルンホルスト」「グナイゼナウ」ら戦艦4隻を基幹に、重巡「リュッツオゥ」「アトミラル・シェア」「アトミラル・ヒッパー」「プリンツ・オイゲン」、それに駆逐艦部隊を従えたドイツ海軍の大型水上艦のほとんどを集めた部隊だった。
「本艦なら「アイオワ」にも勝てるでしょう。ですが・・・・。」
「フリードリヒ」の主砲は48cm砲連装4基8門。打撃力では「大和」を凌ぎ、「淡路」に迫る。

艦隊将兵の頭上では猛烈な爆音が響いている。後方には「リヒトホーフェン」級と「ツェッペリン」級を中核とする空母部隊が随伴して何機かのMe262F−1aを上空援護に差し向けていた。

だが彼らの出動はキール軍港への偵察と潜水艦の報告により連合軍は察知していた。
ソード海岸で上陸支援に当たっていた戦艦「サウスダコタ」「ノースカロライナ」を中核とする部隊がドイツ艦隊を迎え撃つべく動き出していた。
「残念ですな。ここに「インディアナ」と「ワシントン」もいれば・・・。」
旗艦「サウスダコタ」のCICで参謀の1人が言った。
「いまさら廻ってきたツケの話をしてもどうにもならん。合衆国軍人ならそんな弱気になるな!」
艦隊を率いるオルデンドルフ中将は冷静だが強い口調で言った。
「インディアナ」「ワシントン」の2隻は、アメリカによる英本土占領作戦時の英海軍の反撃に遭い撃沈されたのだ。
ドイツ軍もAr196水上偵察機やFw189、そして左右不対称型機で有名なBv141等の偵察機を飛ばし、アメリカ軍戦艦部隊の様子を探っていた。
「あっ敵機!クラウツだ!」
戦艦の上空護衛に当たっているP51がドイツ軍偵察機に襲い掛かる。
ダダダダダダダダッ
「逃げろ!まともに戦っても勝てん。」
ギュウゥ〜ン
ドイツ軍偵察機は戦艦群の位置を確認すると一挙に飛び去ろうとする。
ガガガガ バアァ〜ン
Ar196は流石に逃げ切れず、P51の犠牲となっていった。
既に結末の決まりかけて戦闘の中に、必死に希望を願って戦う星条旗の敗兵。
しかし、彼らの願いは叶う気配さえも無く立ち消えていく。

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