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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 149

今度はミサイルでも砲弾でもない。味方のミサイルや重砲の巻き添えになる危険を無視して攻撃を敢行したエレクトロ・ボートによる雷撃だ。
1本目は左舷艦首、2本目は左舷後部、3本目はそのすぐ近くに命中し、機関室を一挙に海水で満たし、機関科員たちを情け容赦なく溺死させてゆく。
酸素魚雷3本を浴びて行動不能になった「テネシー」は見る見る左舷に傾き、総員退艦が発令された。

さて、ユタ海岸ではリモコン戦車「ゴリアテ」が投入された。90〜100kgの爆薬を積んで敵兵の中へリモートコントロールで進んでいくのだ。
ブロロロロ……
そこへ
ゴオォォ キュルキュル
連合軍の重戦車がやって来た。
「あれは何だ?」
「とにかく踏み潰せ。」
ドルン…バキッ ドガアァーン
戦車の弱点であるキャタピラ部分を破壊され、戦車は擱座した。
「やられた!脱出しろ。」
戦車から兵が飛び出したところへ
ダダダダダダダ
機関銃が浴びせられた。
「ひるむな。突撃、突撃!」
各小隊長、分隊長らが叫ぶ。
「撃て〜!!」
ドウッ ドウンッ
バリバリバリ
小銃、機関銃が次々に火を拭く。
ボン ボン ボン
更に迫撃砲も火を拭く。
キュリキュリ……ドガァン
連合軍戦車がドイツ兵を粉砕しようと砲撃を行う。
ガシャッ ドウンッ!
ドイツ軍はパンツァーファーストで戦車を破壊する。一進一退の攻防が続いた。

上空では戦闘機同士の乱戦が続き、その隙間を縫うようにAr234ブリッツ爆撃機が揚陸艦めがけ、爆撃をかけては飛び去ってゆく。
30機ほどの空襲で11隻が沈み、5隻が撃破された。
海岸陣地の重機関銃や対空両用の大口径機関砲が海岸を薙ぎ、連合軍兵士の頭を抑えていた。
だが連合軍も意地を見せる。P47が対空陣地めがけてロケット弾で急襲をかけていくのだ。

対空陣地のいくつかが撃破され、機銃掃射がやや弱くなった。

ドイツ兵から見ればどの海岸も海を埋めんばかりに船団や艦艇が大挙接近し、必死に押し寄せてくる。
上陸兵たちは砂浜にしがみつくように、必死に粘り防壁へと迫ってくる。
内陸の装甲軍団の進撃を止めようとした重爆部隊がMe262の強襲を受けてR4Mロケット弾で梯団単位で痛めつけられ、あるものは尾翼を吹き飛ばされ、あるものは主翼を折られて墜落する。
残存機や、驚いて散開した機には30mm機関砲の猛打が待っていた。

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