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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 147

「ひるむな!後から続く部隊のために頑張れ!」
アメリカ軍の各分隊長達が声をからす。
「撃て、撃ち殺せ!」
ドイツ軍守備隊も必死だ。
ゴオォォ キュラキュラ
「戦車だ。こりゃ良い弾丸よけになる。」
水陸両用戦車の陰に隠れる米兵だったが、
「目標、先頭の敵戦車。」
「照準よし。撃て!」
ドンッ!
ズガンッ
すぐさまドイツ軍の対戦車砲がアメリカ軍戦車を撃破し始めた。
ソード、ジュノー、ゴールド、オマハ、ユタの各海岸で同じような光景が見られた。
乱戦を潜り抜けたB26やP47が爆撃を強行し、ドイツ軍のトーチカなどを破壊しようと試みる。
Ta152がその背後から銃撃して撃墜する。
上陸支援には米機動部隊も参加していた。
空母オリスカニー、ボクサーなどエセックス級の後期型で、本来太平洋に投入する予定だったのだが、パナマ運河攻撃によってホーン岬を廻る羽目になったために大陸反攻の支援へと流用されたのだ。
各艦はF7FタイガーキャットやF4Uコルセアを出撃させ、一部を地上攻撃に送ったが、大半の機体は艦隊に残っていた。
ドイツ機動部隊の出動は織り込み済みであり、その迎撃が役目であった。

各海岸では、支援爆撃を行うB24やB29にR4Mロケット弾装備のMe262が苛烈な迎撃を行っていた。
高高度での高速が持ち味であるだけに、操縦者たちはドッグファイトは硬く禁じられ、一撃離脱に徹していた。
陣地の背後を狙い、一部は道路などへも攻撃する重爆部隊も凄まじい損害を出しながらも臆することなく強襲爆撃を行っていた。
この強襲爆撃に対してはIV号対空戦車オストヴィント が激しく反撃した。3,7mm機関砲の威力は凄まじく、B29等の重爆撃機も次々に火を吹いた。

その頃、パンター戦車を中心とした第654重戦車駆逐大隊が、ノルマンディーの連合軍を撃破すべく、前線に向かっていた。
5つの海岸ではいずれも連合軍の戦艦の砲撃やらコマンド部隊なども投入しての必死の攻撃に耐え続けていたが、
流石のドイツ軍も次第に押し込まれていた。
危うく防御線を破られかねないところまで来ていたのだ。
この知らせに、B軍集団司令官ロンメル元帥はそれぞれの海岸に向けて救援に向かうよう、各装甲軍団に命じていた。

陸軍と武装親衛隊を合わせて14個装甲師団が各海岸を救援せんとひた走る。

アメリカといえどもはや後が無いことがわかっているだけに、損害を省みない攻撃を続けている。

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