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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 145

艦上機としての運用の為に発着艦装備追加及び降着装置を大幅に強化したモデルであり、武装は機首に30mmMK 108機関砲を4門、両主翼下にR4Mロケット弾を12発ずつ計24発装備しており、大陸反攻の迎撃に際しては英本土と大陸を往復する敵戦闘爆撃機や重爆撃機を襲撃して撃破することになっていた。
搭載機数は2隻とも40機であった。
「リヒトホーフェン」級も同じくMe262F−1aを搭載した。こちらは1隻あたり64機であった。
他に偵察機として日本から輸入した彩雲を各6機搭載した。

またこの4隻の飛行甲板はジェットエンジンの熱対策としてコンクリートでコーティングされていた。
この当時、Me262のエンジンの寿命は最大70時間、通常の実戦使用時には25〜30時間と言われていた。
その為に4隻とも、建造時には雷撃機なども搭載する計画だったものをほぼ戦闘機のみで固め、航空魚雷取り扱いに使うはずだった区画を予備エンジン庫やエンジン整備設備に転用して対応していた。
「ヴェーゼル」が搭載したのはFw190の艦上機型であるD−10型が12機、対潜哨戒任務に、STOL性能の高い複葉艦上雷撃機Fi167を8機搭載した。
この機動部隊の護衛を勤めるのは、「アドミラル・ヒッパー」級重巡「リュッツオゥ」を建造中にソ連に売却したもののソ連降伏により接収され、重巡洋艦として完成した「コルベルク」、M級軽巡洋艦の「ハンブルク」「アウクスブルク」、駆逐艦10隻だった。

この時期、連合軍はフランス北部沿岸やオランダ、ベルギーの沿岸部までは航空優勢を保っていたものの、内陸に入るとドイツ空軍の前に大被害を受ける状況で、ドイツ軍は内陸部に戦略予備部隊としての装甲軍団をいくつも配置していた。
「大西洋の壁」が破られそうになると、即座に駆けつけて穴を塞ぐ態勢ができていた。
また、エレクトロ・ボートやヴァルター・ボートは護送船団を護衛艦、輸送船を問わず狩りまくっていたが、いざとなればドーバーに集められるだけのUボートを集めるべく運用が工夫されていた。
内陸部の装甲師団の主力戦車はX号戦車パンターで、この頃には信頼性も向上し、いまや遅しと連合軍を待ち受けていた。

さらに、日本軍も準備を怠らない。
旧ソ連、親枢軸政権が樹立されたウクライナ、ベラルーシなどに注文してT34戦車の生産を再開させていた。
日本やイタリアの装甲師団の一部において、T34が主力戦車の地位を占めるようになっていた。
同時に、北カリフォルニアからは呉鎮守府第101特別陸戦隊−−指揮官の名前から山岡部隊と通称された−−が陸路潜入した。

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