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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 15

アメリカ軍水雷戦隊の上空には護衛する戦闘機が4機あったが、これを零戦が瞬く間に全機撃墜した。
「突撃!」
九九艦爆60機は対空放火の弾幕を縫って次々に爆弾を投下した。
ドドーンドカーン
ドドドドド
グワァン
「戦果右ノ通リ
敵甲巡1撃沈
敵乙巡1撃沈
敵乙巡若シクハ駆逐艦2撃破
敵駆逐艦2轟沈
敵駆逐艦1撃沈確実
以上」
敵水雷戦隊はあっという間に壊滅した。
この頃山本大将率いる戦艦部隊は小澤艦隊が打ち洩らした「スワニー」と「ロングアイランド」を発見した。
「主砲右砲戦発射用意。」
「発射用意良シ。」
「撃チ方始メ!」
ドドドドドドドド
ドワン、グワッ、ドズゥン
ドグァ、ドカーン!!
「スワニー」は大爆発して船体が真っ二つに折れ撃沈、「ロングアイランド」は船首を天に向け後部から沈んでいった。
こうしてアメリカ軍は太平洋における稼動空母を一時的に全て失った。
「攻撃中止。」
山本大将は追撃戦を行わなかった。なぜならアメリカ機動部隊で残った艦艇は、全力でサンディエゴの海軍基地に向かった。ここでこれを追いかけるよりはハワイ攻撃の支援に回ることのほうが戦略的に重要だと判断したためである。
ほぼ同じ頃近藤部隊はハワイへの艦砲射撃を開始していた。零式弾(対空射撃用の榴弾、時限信管によって爆発弾片を飛び散らせる)でハワイの飛行場へ止めを刺さんとしていたのだ。
約2時間にわたる砲撃で飛行場は壊滅状態となった。
小澤艦隊はハワイの工場を破壊すべく零戦35機、九七艦攻43機を発進させた。攻撃隊長は村田少佐である。
「目標、敵軍需工場。」
「全機突入!」
九七艦攻は水平爆撃で800キロ爆弾を叩きつけた。
ドカーン!ズガーン!
ものすごい轟音と共に各所から黒煙が上がる。
ズドドドドドド
零戦も機銃掃射をして通り過ぎた。
アメリカ軍はハワイ救援にB17を89機パルミラ基地から発進させ、ジョンストンからはドーントレス63機を発進させた。これが小澤艦隊を攻撃するのだ。
「右45度敵機!」
B17はその航続距離を生かし小澤艦隊に襲い掛かった。
ヒュウウウウウ
小澤艦隊の上空から大量の爆弾が落とされた。
「くそったれ!」
上空の零戦もこの巨大爆撃機を落とそうと必死に戦ったが来襲したB17の数が多く、9機を撃墜するのが精一杯であった。

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