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太平洋の荒波
その他リレー小説 - 戦争

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太平洋の荒波 134


この当時、イギリスは通商破壊戦によりすでに燃料や食料の供給も危険なレベルにまで低下し、「戦略爆撃用の爆弾を運ぶ船があるなら食料を運んできてくれ!」
「ドイツ野郎のジェットは凶悪過ぎる。護衛戦闘機を振り切ってロケット弾と大口径機関砲で爆撃機を滅多打ちに叩き落していくんだ!それでいて機雷や爆弾を投下してもUボートの猛威は去らない。これじゃ戦略爆撃自体が自殺行為だ!」
「新型Uボートは凶悪過ぎる。これでは船員という船員が皆戦死してしまう!」といった軍部や食料当局からの悲鳴も上がっていた。
すでにエレクトロ・ボートなど通商破壊部隊に兵站を破壊され、国民が飢餓寸前に追い込まれているところに、スエズ奪還と言う賭けに出て大敗、既に悲惨な状態になっている海運力に致命的な悪影響を受けたイギリスでは、爆撃機部隊も大損害を重ね、既に国力の限界に達していたのだ。
これにより、英本土から米軍や、自由ポーランド軍、自由フランス軍といったドイツに占領された国の亡命政府と軍は撤退へと追い込まれ、亡命政府は北米大陸へと逃れた。
そして同時に、米軍による戦略爆撃も事実上の中止へと追い込まれたのであった。


「イギリスも脱落したか……」
病死したフランクリン・ルーズヴェルトのあとを継いだハリー・トルーマンはそれだけ呟いた。
「こちらも賭けに出るか……」
マンハッタン計画も水泡と化し、ヨーロッパ上陸作戦もイギリスの脱落により難しくなった。ここでアメリカ軍は総兵力を傾けイギリスを軍事占領し、そこを前線基地とし、フランス北海岸に上陸するという前代未聞の作戦を発動することにした。
アメリカ軍を中心とするイギリス攻略部隊はドイツのUボートの脅威にさらされながらもイギリスに大軍を上陸させた。

自由ポーランド軍、自由フランス軍、そしてイギリスの義勇兵も米軍に参加し、ヨーロッパ上陸作戦に加わることとなった。

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